叫べ、まだ終わりじゃない

武道館を夢見るも、鳴かず飛ばずのバンドマン・相馬悠人。
ステージに立てば客は数人、鳴らす音は誰にも届かない。
それでも彼の隣には、ずっと支えてくれる恋人・美咲がいた。
しかしある日、彼女は若く勢いのあるバンドマンと共に夜の街へと消えていく。

バンドも恋も、すべてを失った悠人の前に現れたのは――
ライブ中に大声で怒鳴りつけてきた、うるさい女・あかね。

「アンタの音はそんなもんじゃない!」

夢を諦めた女が、夢を見続ける男にぶつけた一言が、止まっていた音を再び鳴らし始める。

恋と夢が交差する下北沢。
絶望の底から這い上がり、再びマイクを握るまでの、泥臭くて不器用な再生の物語。

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