あなたにおすすめの小説

夫が私の移植用心臓を運ぶヘリを愛人の犬に回したので、目覚めた私は彼を知らないふりをした 表紙

夫が私の移植用心臓を運ぶヘリを愛人の犬に回したので、目覚めた私は彼を知らないふりをした

熾星
 宗一郎がシャツの三つ目のボタンを留めたときには、私はもうスマートフォンで銀行アプリを開いていた。  ベッドの脇には女物のワンピースと彼のベルトが散らばっている。神崎美月はホテルのバスローブをまとい、浴室の入り口に立っていた。鎖骨には意味ありげな赤い痕。まるで私に見せつけるために、そこに立っているようだった。  カーテンは完全には閉じられていない。朝の光が絨毯に差し込み、部屋の惨状を残酷なほど鮮明に照らしていた。  初めてこんな場面に出くわしたとき、私は部屋のグラスを叩き割り、宗一郎の胸ぐらをつかんで理由を問い詰めた。  あのときの彼はベッドヘッドにもたれて煙草を吸い、ズボンすらまともに穿かないまま、淡々と言った。 「部屋が暗くて、お前と間違えた」  その後、同じような「人違い」は二度起きた。  それをきっかけに、私たちは書面で取り決めを交わした。不貞行為が一度発覚するたび、離婚成立前の解決金として、彼は私に五百万円を支払う。 「振り込んで」
キャラ文芸 完結 短編
文字数:15,653
下っ端妃は逃げ出したい 表紙

下っ端妃は逃げ出したい

都茉莉
新皇帝の即位、それは妃狩りの始まりーー 庶民がそれを逃れるすべなど、さっさと結婚してしまう以外なく、出遅れた少女は後宮で下っ端妃として過ごすことになる。 そんな鈍臭い妃の一人たる私は、偶然後宮から逃げ出す手がかりを発見する。その手がかりは府庫にあるらしいと知って、調べること数日。脱走用と思われる地図を発見した。 しかし、気が緩んだのか、年下の少女に見つかってしまう。そして、少女を見張るために共に過ごすことになったのだが、この少女、何か隠し事があるようで……
キャラ文芸 完結 短編
文字数:9,151
後宮薬師は名を持たない 表紙

後宮薬師は名を持たない

由香
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。 帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。 救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。 後宮が燃え、名を失ってもなお―― 彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。
キャラ文芸 完結 短編
文字数:20,053
夫と偽令嬢に殺害計画を囁かれているのを聞いてしまったので、返り討ちにして二人とも地獄へ送ることにしました 表紙

夫と偽令嬢に殺害計画を囁かれているのを聞いてしまったので、返り討ちにして二人とも地獄へ送ることにしました

熾星
 夫の誕生日、私はケーキを抱えて彼の会社を訪れた。  社長室の扉はわずかに開いており、中から妹の星羅の声が聞こえてきた。 「次順位受益者の資格放棄書、どうしてまだ署名させていないの?」  直哉が苛立った声で答えた。 「あと数か月待て。子どもが生まれたあとで紫乃に事故が起きれば、父親の俺が子どもの信託財産を管理できる」  短い沈黙のあと、星羅の声が氷のように冷えた。 「でも、その子が生きている限り、私は九条家で唯一の後継者にはなれない」  扉の外に立ったまま、手の中のケーキが少しずつ傾いていった。あの二人が欲しがっていたのは、私の結婚も株式も、それだけではなかった。  私と、お腹の子の命まで奪うつもりだったのだ。  録音ボタンを押し、私は東華都の雨の中へ引き返した。
キャラ文芸 完結 短編
文字数:21,783
【完結】後宮の才筆女官  表紙

【完結】後宮の才筆女官 

たちばな立花
後宮の女官である紅花(フォンファ)は、仕事の傍ら小説を書いている。 最近世間を賑わせている『帝子雲嵐伝』の作者だ。 それが皇帝と第六皇子雲嵐(うんらん)にバレてしまう。 執筆活動を許す代わりに命ぜられたのは、後宮妃に扮し第六皇子の手伝いをすることだった!! 第六皇子は後宮内の事件を調査しているところで――!?
キャラ文芸 完結 短編
文字数:16,784
思い出してしまったのです 表紙

思い出してしまったのです

月樹《つき》
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。 妹のルルだけが特別なのはどうして? 婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの? でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。 愛されないのは当然です。 だって私は…。
恋愛 完結 ショートショート
文字数:4,664
【完結】「君は何もしていない」と婚約破棄された私ですが、失ったのは私だけではなかったようです 表紙

【完結】「君は何もしていない」と婚約破棄された私ですが、失ったのは私だけではなかったようです

しばゎんゎん
「君は、この屋敷で何もしていない」 婚約者にそう告げられ、私は静かに屋敷を去りました。 反論はしなかった。 本当に必要とされていなかったのなら、そこにいる理由などない。 けれど、翌日から屋敷は変わり始める。 もちろん、悪い意味で。 執事が辞め、料理長が辞め、長年付き合いのあった商会は取引を打ち切り、貴族たちも離れていく。 婚約破棄で失ったものは、婚約者だけではなかった。 本質を見ずに婚約破棄をした人が、信頼そのものを失ってしまう物語。
恋愛 完結 短編
文字数:15,113