灰色の王子様こそ泥棒娘を守りたいと願っている!
表向きは子爵令嬢のイルヴァの父、イクセル・オーグレーン子爵は大泥棒だと自称している。イルヴァはそんな父によって数々の泥棒の知恵と技を仕込まれ、「大物を狩って来い。」とクリストファー王子の十一歳の誕生会という社交界の海に放り出された。クリストファーは金髪碧眼の見目麗しい王子様だ。
しかし彼女がそこで狩って来たのは、クリストファーと同い年のもう一人の王子、灰色の影と仇名のある地味なノアの方だった。
子爵はでかしたと大喜びを見せ、子爵令嬢という低い身分ながらノア王子との婚約は彼女が十三歳の時に成立した。
時は流れて十七歳になった二人。
ある日の昼下がりの午後、二人はいつものようにお茶をしていたが、二人はいつものようにはいかなかった。
婚約破棄、そんな事情が空から降ってわいたのである。
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