白髪の姫は、まだ春を知らない
「家族と思われたくないわ」
「生まれてこなければよかったのに」
黒髪が一般的な国の華族に生まれたのぞみ。
けれど彼女の髪は、生まれつき真っ白だった。
“汚らわしい白”
そう呼ばれ、家族から拒絶され、奴隷のように扱われながら育った彼女は、次第に自分の存在すら嫌いになっていく。
——そんな彼女に、初めて手を差し伸べたのは、皇族の加納新だった。
漆黒の髪を持つ彼は、好奇心半分に言う。
「君は面白いな」
そして、誰も言わなかった言葉を口にした。
「陽の光が当たると、銀色に見えて綺麗だ」
傷つき歪んだ心は、愛されてもすぐには変われない。
それでも彼の隣で、生きてみたいと思った。
これは、“汚らわしい白”と呼ばれた少女が、自分を許せるようになるまでの恋物語。
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けれど彼女の髪は、生まれつき真っ白だった。
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