平成讃歌 ~4トントラックで雪山を越えた夜~
田之倉大賀《たのくらおおが》は 丸山運送㈱に勤める長距離トラック運転手。
愛妻の見紅《みるく》と結婚して、ちょうど一年が過ぎた。
ほんとなら、かわいい嫁さんと毎晩団らんできる暮らしがいい。
だが、オレは男だ。意地がある。必ず一旗あげてみせるぜ!
見紅よ、オレを信じて待っていてくれ!
ころは3月の末。桜の花盛り。
大賀は雨のしと降る山道を、一心にトラックを走らせていた。
ところが夜になると、おだやかに降っていた春雨が、冷たい雪に変わり……。
愛妻の見紅《みるく》と結婚して、ちょうど一年が過ぎた。
ほんとなら、かわいい嫁さんと毎晩団らんできる暮らしがいい。
だが、オレは男だ。意地がある。必ず一旗あげてみせるぜ!
見紅よ、オレを信じて待っていてくれ!
ころは3月の末。桜の花盛り。
大賀は雨のしと降る山道を、一心にトラックを走らせていた。
ところが夜になると、おだやかに降っていた春雨が、冷たい雪に変わり……。
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。