八雲 時計坂の管理人
『八雲立つ 時計坂下宿 管理人』
民俗学を学ぶ大学生・六道八雲は、東京の外れ、標高の高い坂の上に建つ古い下宿――
通称「時計坂下宿」の管理人を務めている。
だがこの下宿、ただの古家ではない。
家鳴り、化け猫、木の神、狸、狐、天狗、そして火の神 雨の神。
人ならざるものたちが、当たり前のように集い、住み、食べ、騒ぐ場所だった。
八雲は霊感こそ強くないが、
見え、聞こえ、察してしまう男であり、
高名な民族学者であった
祖父譲りの民俗学の知識と、淡々とした生活力で、
神と妖怪の「日常」を受け入れている。
雨神である澪と共に暮らし、
食い意地の張ったリス神クヌギに振り回され、
台所番人の化け猫漱石に睨まれながら、
八雲は大学で民俗学を学び、レポートを書き、
さらに 住民たちに美味し糧を与え続ける
そして――神々のいる日常を“観察”し続ける。
それは学問なのか、生活なのか、祀りなのか。
水は命である。
雨は空からの手紙である。
神とは、忘れられたときにこそ、静かに消える存在である。
これは、
神と人の境界に立つ青年と、
少し騒がしくて、少し優しい
「非日常の日常」の物語。
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