理葬境

 戦の時代、小国同士が争い陣地を広げていたような頃の物語――
 大国を築いた国王は飢饉により多くの民を犠牲にした。納税を厳しくした結果、民たちは苦しみ死んでいった。一方、王城や城下町で暮らす人々にはきちんとした食料が分け与えられていた。
 飢饉は収まらず、国王は大臣達に何か案を出すように命じる。そして、一人の大臣の案が採用され、数ヶ月、数年後には何とか持ち直すことが出来た――

 この物語の始まりはここから……

 ある日、国王は息子に自分の寿命が短いことを告げる。
 国王が亡くなってから、町や村では「悪夢」という得体の知れないものが噂されるようになった。
 大臣の一人、剛昌は急死する前の国王の異変に気が付き調査を進めていくが……。
 
 これは理弔と呼ばれる村が出来るまでの物語……。
 登場人物たちの過去からこの先に待ち受ける未来までを描いた儚き物語……。

 そして、この物語の本質は登場人物たち全員が主人公となり「死者の為に紡ぐ物語」であるということ。
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