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名門の家に生まれたのに、私だけ「浄化の力なし」の役立たず。家族の失敗した呪いの品を地下でこっそり片づける係で、みんなからは「ゴミ溜め場の聖女」とバカにされていました。 でも、死にかけたある日、前世の記憶がよみがえります。私はもともと、古い宝物を直すお仕事をしていたのです。 そこで気づいてしまいました。この家が「呪い」と呼んで怖がっている品は、呪いなんかじゃない。ただ古くて、汚れて、壊れているだけ。だったら、直せます。 家を出て、小さな修復のお店を開きました。錆びた短剣も、泣いている銀のロケットも、百年ものの「呪いの剣」も、前世の知識でぜんぶ元通り。気づけば街の人に頼られて、王様からも呼ばれるように。 一方その頃、私を追い出した実家は、私がいないと道具ひとつ直せずに大あわて。今さら「戻ってきて」と泣きつかれても……もう遅いです。 ※本作は、既存作品を全面的に改稿(リライト)した作品です。
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「帳簿ばかり見ている女は、公爵夫人にふさわしくない」 婚約破棄の舞台で、そう言われました。広間じゅうが笑いました。 でも、わたしは十年間その家の帳簿をつけてきたのです。だから知っています。フェルゼン公爵家の帳簿は、十二年前から一度も合っていません。 前の暮らしで、わたしは会計士でした。顔も名前も思い出せませんが、数字の読み方だけは体に残っています。 魔法は使えません。剣も振れません。できるのは、歩幅を数えること、三度足すこと、端数を見ること、日付の差を取ること。ただそれだけです。 けれど紙は書き直せても、焼けた家は書き直せない。買ったことになっている馬は、どこにもいない。十二年前に辞めた十一人は、どこかで暮らしている。 一行ずつ数えていくと、公爵家の足もとから音が鳴りはじめました。 わたしを笑わなかった人がひとりだけいます。王室監査院の監査卿。人の顔を見ずに、数字のほうを見る人です。 数える女の、静かな監査ざまぁ。
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子爵家の末娘リリア、四歳。家族の誰にもかまわれず、屋敷のすみで育ちました。 でも私には、前の人生の記憶があります。数字を見ると、勝手に計算してしまうんです。 ある日、お父様の帳簿のお金の使い込みを、うっかりその場で言ってしまいました。 返ってきたのは「出来損ない」の一言と、追放でした。持たされたのは銅貨23枚だけ。 いいでしょう。それなら、この銅貨23枚を開業資金にします。 森で助けた銀色のもふもふな子犬のフェンと一緒に、つぶれかけのお店を立て直しながら、おいしいものを食べる旅に出ます。 つぶれかけのパン屋さんは村一番の人気店に。ガラクタだらけの雑貨屋さんは町一番のお店に。 私はただの経理顧問。なのに、まわりが勝手に大騒ぎしていきます。 え? 今さら「家がつぶれそうだからお金を何とかして」? ……ふふ。数字は、うそをつきませんよ。 ※本作は、既存作品を全面的に改稿(リライト)した作品です。
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