千年ぼっちの異星人、ハイドロ・マーメリックは今日も人の感情がわからない
千年前、平安の海に墜落した宇宙船――その乗員、異星人ハイドロ・マーメリックは、感情を持たぬまま人間社会に紛れ、生き延びてきた。
文明の興亡を見届けた彼女は、今は地方都市で「山田良子」として、八百屋の手伝いをしながら静かに暮らしている。
だがある日、世界は崩壊を始める。“感情を失った存在”=ゾンビの出現により、社会は感染と混乱に沈んでいく。
逃亡のさなか、彼女は両親を失った一人の少女と出会う。無力で、それでも希望を捨てないその瞳に、ハイドロはかつての自分を重ねてしまう。
――私は何のためにここにいるのか?
――この世界の「痛み」は、私にとって無関係なのか?
万能の学習能力を持ちながら、ただ観察するだけだった彼女に、初めて“問い”が芽生える。
これは、感情を持たぬ異星人が“人間”になっていく物語。
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