愛を騙るな
「王妃よ、そなた一体何が不満だというのだ」
「………」
「贅を尽くした食事、ドレス、宝石、アクセサリー、部屋の調度も最高品質のもの。王妃という地位も用意した。およそ世の女性が望むものすべてを手に入れているというのに、何が不満だというのだ!」
王妃は表情を変えない。何を言っても宥めてもすかしても脅しても変わらない王妃に、苛立った王は声を荒げる。
「何とか言わぬか! 不敬だぞ!」
「……でしたら、牢に入れるなり、処罰するなりお好きに」
「い、いや、それはできぬ」
「何故? 陛下の望むままなさればよろしい」
「余は、そなたを愛しているのだ。愛するものにそのような仕打ち、到底考えられぬ」
途端、王妃の嘲る笑い声が響く。
「畜生にも劣る陛下が、愛を騙るなどおこがましいですわね」
「………」
「贅を尽くした食事、ドレス、宝石、アクセサリー、部屋の調度も最高品質のもの。王妃という地位も用意した。およそ世の女性が望むものすべてを手に入れているというのに、何が不満だというのだ!」
王妃は表情を変えない。何を言っても宥めてもすかしても脅しても変わらない王妃に、苛立った王は声を荒げる。
「何とか言わぬか! 不敬だぞ!」
「……でしたら、牢に入れるなり、処罰するなりお好きに」
「い、いや、それはできぬ」
「何故? 陛下の望むままなさればよろしい」
「余は、そなたを愛しているのだ。愛するものにそのような仕打ち、到底考えられぬ」
途端、王妃の嘲る笑い声が響く。
「畜生にも劣る陛下が、愛を騙るなどおこがましいですわね」
あなたにおすすめの小説
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
結婚式の晩、「すまないが君を愛することはできない」と旦那様は言った。
雨野六月(旧アカウント)
恋愛
「俺には愛する人がいるんだ。両親がどうしてもというので仕方なく君と結婚したが、君を愛することはできないし、床を交わす気にもなれない。どうか了承してほしい」
結婚式の晩、新妻クロエが夫ロバートから要求されたのは、お飾りの妻になることだった。
「君さえ黙っていれば、なにもかも丸くおさまる」と諭されて、クロエはそれを受け入れる。そして――
だって悪女ですもの。
とうこ
恋愛
初恋を諦め、十六歳の若さで侯爵の後妻となったルイーズ。
幼馴染にはきつい言葉を投げつけられ、かれを好きな少女たちからは悪女と噂される。
だが四年後、ルイーズの里帰りと共に訪れる大きな転機。
彼女の選択は。
小説家になろう様にも掲載予定です。
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた
黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」
幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
「あなたの好きなひとを盗るつもりなんてなかった。どうか許して」と親友に謝られたけど、その男性は私の好きなひとではありません。まあいっか。
石河 翠
恋愛
真面目が取り柄のハリエットには、同い年の従姉妹エミリーがいる。母親同士の仲が悪く、二人は何かにつけ比較されてきた。
ある日招待されたお茶会にて、ハリエットは突然エミリーから謝られる。なんとエミリーは、ハリエットの好きなひとを盗ってしまったのだという。エミリーの母親は、ハリエットを出し抜けてご機嫌の様子。
ところが、紹介された男性はハリエットの好きなひととは全くの別人。しかもエミリーは勘違いしているわけではないらしい。そこでハリエットは伯母の誤解を解かないまま、エミリーの結婚式への出席を希望し……。
母親の束縛から逃れて初恋を叶えるしたたかなヒロインと恋人を溺愛する腹黒ヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:23852097)をお借りしております。
『彼を解放して!』とおっしゃいましたが、何から解放されたいのですか?
シエル
恋愛
「彼を解放してください!」
友人たちと教室に戻ろうとしていると、突如、知らない令嬢に呼び止められました。
「どなたかしら?」
なぜ、先ほどから私が問いかける度に驚いているのでしょう?
まるで「え!?私のこと知らないの!?」と言わんばかりですけれど、知りませんよ?
どうやら、『彼』とは私の婚約者のことのようです。
「解放して」とおっしゃっいましたが、私の目には何かに囚われているようには見えないのですが?
※ 中世ヨーロッパモデルの架空の世界
※ ご都合主義です。
※ 誤字、脱字、文章がおかしい箇所は気付いた際に修正しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
王妃を始め、周りが一丸となって行った『王への粛清』最高でした!
漫画で地位も名誉も何でも欲しいままにしている王が
「そなたは幸せ者だ、美しく賢い妻を手に入れて。」
「ありがとうございます。妻は本当に素晴らしい女性、これもひとえに陛下の思し召しの賜物でございます。」
「余のお陰と申すなら、そなたの妻を余に譲れ。」
「はい、慶んで。」
王の願いに応えた忠臣は妻を王に差し出した。
百戦錬磨で敗け戦の無かった忠臣は王の誇りで、王自身を華やかに飾るアクセサリーであった。
しかし王に妻を譲った忠臣は、次の戦で呆気なく死んだ。
「何故だ?余の誇りで強く美しい飾りであったあ奴が、何故此度の戦で死んでしまったのだ!?」
怒り歎く王に、彼を愛していた大臣は言う
「彼が大事ならば、王は何故彼の最愛を奪ったのですか?」
「奴が慶んで余に妻を差し出したのだ。」
「慶ぶ訳が無い!彼女は彼の初恋の人だった。生まれつき美しく文武に秀で周りから期待され妬まれ押さえ付けられた彼のたった一つの光だった。彼は全てにおいて優秀だったが長年彼女への恋心を伝える事が出来ない臆病な繊細さを持った弱い人間だった。弱さを隠す為に『人に対する時は憂いを帯びた気の無い返事をし、常に優美な微笑をたたえ何にも関心を持たない強く冷徹な軍神』の仮面を纏った。それがようやく蟠りと誤解が融けて、思いを伝え、やっと心を通わせる夫婦に成れたというのに、貴方が彼から彼女を奪った!彼は貴方に差し出した彼女を忘れる為に護る為に死に物狂いで闘った!闘って闘って闘い抜いて、今際の際に、『憂い』の顔で微笑って逝った。貴方に彼の絶望が分かるか!?貴方が彼を殺したんだ!!」
大臣に叱責されて王は深く反省し忠臣に心から懺悔するが、それでも王として国を栄えさせて行く。
というのを思い出しました。
この話の王様はなーんも反撃出来んで最高のいい気味でしたね。それだけこの国が平和な証拠。戦時下でこんな王様だったらもっと早く❌されてたでしょう。
とても面白かったです!読ませて頂きまして有難う御座いました❣️
ご感想ありがとうございます!(^^)!
仰る通り、戦時下であったなら、もっと早く王は廃されていたでしょう。戦争にも、侵略もされていなかったのは、ひとえに王妃たちの外交によるものでした。
しかし、語っていただいたこの王の話を存じ上げませんが、よくこの横暴を他の臣下も許したものだなと。
そして、妻の方も王に侍ることを何も抗議しなかったのかなと疑問が湧きますね。
本当にこの国、栄えていたのでしょうか。
いろいろ疑問やらが尽きないわけですが、そんなお話もあるのですね。
お読みいただきありがとうございました(^^♪
本当にありがとう🙏
この国王さまは産まれてすぐ身罷られてた方が世界中に惜しんでもらえたんじゃね?てくらいのどーしよーもねぇクズでしたね。
なのに、こんなクズ一匹始末するのに、最期に絶望を味合わせるためとはいえ、鋼の高潔さを備えた女性たちや宰相、そして肝心要の実行犯セシリアの弛まぬ努力の一つも欠けてはならなかった。
ほんっと身分て難儀です…くたばり国王以外の皆さま、一人一人にぴったりの幸せを一生味わい尽くして生きてください!
ご感想ありがとうございます!(^^)!
何故かお礼を言われる短編(笑)。
国王は即位前からどうにか失脚できないかと、周囲が虎視眈々と狙っていたりしました。
女性たちの忍耐と犠牲によって成り立っていた国なので。。
身分制度の落とし穴とでもいいますか、器量のない人間が上に立つと不幸でしかないという見本でもありました。
お読みいただき、ありがとうございました(^^♪
作者さまありがとー!!!!!
皆さまおっしゃるように、気分悪過ぎる話しかないのかよと幻滅してたらこの高潔王妃さまが吹っ飛ばしてくれたーヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。
自分をレ◯プした自信満々ヒィぃろーぅっ!に
「顔も家柄も申し分ない穴だモノにしてやるぜ」
と言い寄られている内に絆され、ガバチョヒロインの家族も
「最初は反対したが、中々の男じゃないか」
と一人娘をレ◯プしたと知ってる糞ヒ◯ローを大絶賛……
王妃さま宰相閣下以下皆さま、いっそ出張してコイツら根絶やしにしてくれません?
あと、元正妃さまや側室さまたちは幸せになれましたか?
感謝するのは私の方なのですが(笑)、改めて、ご感想ありがとうございます!(^^)!
えーっと、そちらの作品を存じ上げないのですが、内容的に私も無理寄りの無理な感じです(´・ω・)
そんな奴はすぱっと振られちまえ!!or 法廷で会いましょう!としか思えないので…。
り、隣国くらいなら出張可能かも?? まずこちらの国に噂が届かないとな…(´ー`)
一応、ご質問の件は設定だけはありまして、正妃様は完全なる政略結婚、側妃様うち1人は家族からの身売り、1人は恋人でしたが愛想尽かし、愛妾は割り切ったタイプでしたので、最終的には幸せをもぎとりました!
読んでいただき、また感想をありがとうございました(*'ω'*)
ご感想ありがとうございます!(^^)!
王妃は結婚を打診されたときに、あらゆる可能性を考えて準備してました。
国を運営していたのも宰相と妃たちだったので、もうやってられん!と見限った次第です(笑)。
読んでいただき、また感想をありがとうございました(*'ω'*)
いやあ作者さんが「ざまぁは嫌いなんですよねw」とかほざくアホじゃなくて良かった。ここまでやっといてこのレベルのクズとくっつけるアホが多すぎてイライラしてた所に、こういう清々しい作品が読めて良かった。
ご感想ありがとうございます!(^^)!
仰る通り、なぜここまでされてほだされるのか??という作品もありますので、お気持ちとてもよく分かります。
理不尽には相応の報いがないと、やはり読後感がよくないと思いますので。
読んでいただいた上に、ご感想まで感謝です(*'ω'*)
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。