フェイク・ウォリアー成り上がります!

大国ジュダイヤの城に、ナレイという名の少年がいた。
 使用人の中でも使い走りで、取り柄もなければ根性さえもない。
 だが、この大国の姫君、お転婆娘のシャハロとは、実を言うと幼馴染だった。
 子どものうちはそれで通っていたが、年月が経つとシャハロは美しく育っていた。
 (胸は間に合わなかったが)。
 当然のことながら、それ相応の容姿と家柄の若君が結婚相手に選ばれることとなる。
 シャハロへの恋に気付いたナレイは、痛く傷つき、落胆した。

 だが、シャハロはこの結婚に乗り気ではないらしい。
 それどころか、ナレイの住む使用人小屋に、夜中に忍んできた。
 何とか連れて逃げ出してほしい。
 哀願するシャハロを、この国から、恋敵から奪い取りたい……。
 頭ではそう思っても、身体が動かない。
 それが、ナレイの心を縛る奴隷根性だった。
 だが、それを打ち破る方法があった。
 それは、滅ぼされた国にいたという伝説の勇者……になりすますこと。
 何ひとつ持っていないナレイは、ハッタリだけで成り上がることにする。
「待ってろ、シャハロ! あの完全無欠の若様から、絶対に取り返してやる!」
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