【短編044】 キーボード:ハルの重みだけを頼りに、書いていた。
深夜、奈央は三週間ぶりに管理画面を開いた。
怖くて、ずっと確認できなかった。膝の上で眠る猫のハルだけを頼りに、誰にも言えないまま書き続けてきた夜のことを、誰かに説明する言葉は、まだなかった。
数字が表示された。ゼロじゃなかった。
ただそれだけのことが、体の重心に近い場所に、静かに落ちていった。
書くことの孤独と、届くことの静かな衝撃を描いた短編。
怖くて、ずっと確認できなかった。膝の上で眠る猫のハルだけを頼りに、誰にも言えないまま書き続けてきた夜のことを、誰かに説明する言葉は、まだなかった。
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