君との恋は塩の柱に
私の名前は多分サラ。多分女性。多分十代。多分剣士。多分末っ子。多分多分と繰り返しているのは、私に記憶が無いから。何となくの感覚で自分を語ってはいるけれど、記憶が無いから確かなことは何一つ無い。そんな私の前に現れたのは、アルツィマっていう名前の旅人。羨ましいくらいの美形だけど、素性のよく分からない魔術師。私は記憶の在処を求めて、アルツィマと共に旅に出た。向かう先は塩の雪原。何もかもが謎めいた純白の土地。多分、私の故郷だと思う場所。自由人なアルツィマに振り回されながらも、私は真っ白な雪原を旅していく。そして辿り着いた旅の果てで、私は一人の少女に出会う。ソラニエル・ホロラーデ。多分、私の姉。これは私が記憶を取り戻すまでの物語。私とソラニエルが犯した禁忌を思い出すまでの物語だ。
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