紙の街

 主人公は何でもできる誰かしらとの確執で心を痛め、部屋に引きこもって一枚の絵を心のよりどころにして描き続けている。上塗りに上塗りを重ねた、他人が見れば抽象画としか見えない絵であるが、本人の脳内の象景があらわされている。
 過去を思い出して精神的不安に襲われた拍子に主人公はその絵に穴をあけ、窓の外に放り投げてしまう。自分の正当化の権化が失われて現実逃避が剥がれ落ち、しかし冷静ではあれなかったことから主人公は窓の外に飛び出し、死んでしまう。死後、穴に飛び込んだ後描かれている世界は主人公の単なる想像ではないのかもしれない。


表紙絵はさくらもちぃーさん!:https://twitter.com/motchi_0128
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