嘘の告白

ある休日の夕方、大学の同級生だった長年の友達、|御影侑《みかげ たすく》に話があると呼び出された。

「小野川、好きです、恋人になって下さい」
告白された。
「恋人?」
今までの侑との思い出が走馬灯のように蘇った。
どれも楽しい思い出だ。まあ、飲みに居酒屋行ってるのばかり。

「いいよ、俺もお前の事好きだったみたい」と軽く返した。
男友達の中では一番親しくしていた。言われて気付いたが、これは恋愛感情だったようだ。

「ええっ⁈本当に⁈」
「おう!付き合おう」
俺は軽く応えた、

「そんな!しまった…言うんじゃなかった」
さっきまで赤かった顔は急激に青ざめ、アワアワとパニックを起こしている。
「はあ?」

「嘘です。御免なさい!」
と侑は叫び、頭を下げられる。
「え、何で?」

侑はくるりと後ろを向いて走り去った。

今のは何だったの?
呆然と見送った。

コンビニでも寄るかと帰り道を歩きながら友人の嘘の告白?を思い返していた。

「俺、言い損じゃね?」

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