あしでまとい 御城下の秘技
ある地方の藩士であった空閑政頼は、娘婿の陽一郎に家督を譲ってからというもの、高齢と病に苛まれ、妻女も娘も喪って心身ともに限界を感じていた。
家を継ぎ、城で勤めながらも甲斐甲斐しく世話をしてくれる陽一郎に対して自分があしでまといであると考えていた政頼は、鍛えていた剣の腕も、師より唯一人相伝された秘技もついに使わずに終わるのだろうと覚悟する。
ところが、古い友人がその秘技を頼って老中暗殺の依頼を持ちかけてきたかと思うと、直後には娘婿の陽一郎が件の老中を護衛する御役目を受けたと喜んで報告してきた。
政頼はこれを、陽一郎へ孝行の恩を伝える最後の機会であろうと考え、御役目に役立つであろうと秘技『無明』の伝授を決めた。
秘技が向けられる相手は、刺客である自分だと知りながら。
第7回歴史・時代小説大賞にて大賞を受賞いたしました。
読者様の応援のおかげです。ありがとうございます。
この作品はアルファポリスから書籍化されています
家を継ぎ、城で勤めながらも甲斐甲斐しく世話をしてくれる陽一郎に対して自分があしでまといであると考えていた政頼は、鍛えていた剣の腕も、師より唯一人相伝された秘技もついに使わずに終わるのだろうと覚悟する。
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