「あなたが死ぬ契約書は、どこにもありません」――三日後に死ぬ祓い屋を、呪いを登記する女司法書士が相続手続で救います
「曾祖父名義の家と山林を、三日以内に片づけてください。四日目には、俺が死んでいるので」
司法書士・御影綴の事務所を訪れたのは、三日後に三十歳となる祓い屋・冬城朔。
冬城家の当主は、代々三十歳で命を落としてきた。朔は自分の死後、妹へ古い屋敷と森の問題を残さないため、放置されていた相続登記を依頼しに来たのだ。
人間と怪異の果たされなかった約束を「呪約」として読み、登記できる綴が朔の背後に浮かぶ契約を確認すると、そこにあったのは「命の回収」ではなく、「貸与霊力の返還」という文字だった。
あなたが死ぬと書いてある契約書は、どこにもない。
真相を調べるため、綴は危険を承知で呪約を仮登記する。だが空欄にしたはずの次順位承継人は、朔の妹・澪の名前で埋められてしまった。
助けるための手続きが、別の人間を次の債務者にした。
自らの判断に責任を負うため、綴は呪いを自分の身体へ移し、朔の父が二十年前に残した戸籍、未提出書類、森の登記記録をたどっていく。
やがて明らかになるのは、歴代当主の死が正当な対価ではなく、冬城家が怪異から借りた力を私物化した結果だったという事実。
一人を差し出せば、町は守られる。
そう主張する一族の管理者に、綴は武力ではなく、記録と契約と本人の同意で立ち向かう。
呪いを登記する女司法書士と、死ぬことを受け入れてきた祓い屋の、現代怪異×相続実務×男女バディミステリー。
全八話完結。
司法書士・御影綴の事務所を訪れたのは、三日後に三十歳となる祓い屋・冬城朔。
冬城家の当主は、代々三十歳で命を落としてきた。朔は自分の死後、妹へ古い屋敷と森の問題を残さないため、放置されていた相続登記を依頼しに来たのだ。
人間と怪異の果たされなかった約束を「呪約」として読み、登記できる綴が朔の背後に浮かぶ契約を確認すると、そこにあったのは「命の回収」ではなく、「貸与霊力の返還」という文字だった。
あなたが死ぬと書いてある契約書は、どこにもない。
真相を調べるため、綴は危険を承知で呪約を仮登記する。だが空欄にしたはずの次順位承継人は、朔の妹・澪の名前で埋められてしまった。
助けるための手続きが、別の人間を次の債務者にした。
自らの判断に責任を負うため、綴は呪いを自分の身体へ移し、朔の父が二十年前に残した戸籍、未提出書類、森の登記記録をたどっていく。
やがて明らかになるのは、歴代当主の死が正当な対価ではなく、冬城家が怪異から借りた力を私物化した結果だったという事実。
一人を差し出せば、町は守られる。
そう主張する一族の管理者に、綴は武力ではなく、記録と契約と本人の同意で立ち向かう。
呪いを登記する女司法書士と、死ぬことを受け入れてきた祓い屋の、現代怪異×相続実務×男女バディミステリー。
全八話完結。
あなたにおすすめの小説
【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。
愛人の宝石を鑑定しろと夫に命じられました。では、「盗品」と記載します
「イヴェット、この首飾りを鑑定してくれ。贈り物にふさわしい額をつけてな」
夫が私の作業台へ連れてきたのは、愛人だった。
彼女の胸元には、金の花びらに囲まれた青い石が揺れている。
石の奥を覗いた私は、息を呑んだ。
小さな白い点の並び。結婚前、私が帳面に描き残した特徴と同じだった。
一週間前、夫は母の首飾りを売ったと告げた。
買い手はもう遠方だと。名前も売却の記録も、教えてはもらえなかった。
それなのに、母の石は愛人への贈り物に作り替えられていた。
「妻の物なら家の物だ」
私の形見を奪い、今度は私の署名で贈り物に箔をつけるつもりらしい。
私は婚前の帳面を開き、新しい枠を作った工房へ照会する。
力を貸してくれたのは、以前から私の仕事を認めてくれていた宝飾商だった。
母の思い出に言葉が詰まっても、彼は結論を急かさず、私の話を聞いてくれた。
夫が客を集め、愛人への贈り物を誇る披露会。
そこで鑑定結果を告げるのは、私だ。
母の形見も、私の仕事も、あなたの物ではありません。
自分の名で事実を書いた妻が、形見と仕事を取り戻し、新しい恋を選ぶ物語。
全6話・ハッピーエンド。
王の御前の槍試合で、夫が愛人の袖飾りを槍に結んだので、鎧も馬もお返しいただきます。捨てられた私の袖飾りは、十四歳の従騎士が拾ってくれました
王の御前の春の槍試合。伯爵夫人コンスタンスが差し出した青い袖飾りを、夫は槍の先で砂に落とし、愛人の赤い袖飾りを結んで走った。観覧席には笑いが広がる。けれど夫の鎧も軍馬も従騎士の俸給も、六年のあいだ妻とその実家が出してきたものだ。砂の上の袖飾りを拾ったのは、十四歳の従騎士ロイク。審判長を務める無愛想な公爵は、鎧と馬の持ち主を届け出よと命じる。杯の前夜の宴で、コンスタンスは夫に離縁を告げた。鎧も馬も、お返しいただきます。元サヤなし。全七話。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
幼馴染の次期公爵の子を身籠りました
「別れてほしいんです」
そう言って私は彼の元を離れた。
彼は知らない。私のお腹には彼と私の子がいることを。
あなたに迷惑がかかるので、あなたの前を去ることに決めました。
そして、私はこの子を一人で立派に育ててみせます。
さようなら、ずっと好きな人。
そう誓ったはずなのに……。
王太子妃ではありません。ええ、妃、ではね
次期女王と目される大公女アナスタシアは、従兄イヴァンの身勝手な思い込みに振り回されていた。彼を愛する男爵令嬢マリーナは、アナスタシアを恋敵と誤解し、王妃の座を夢見て彼女に身を引くよう迫る。だが、この国は女系相続を定めた女王国。そもそもアナスタシアはイヴァンの婚約者ではない。卒業記念舞踏会で明らかになる勘違いの数々。そして彼女が選んだ、本当に愛する人とは――?
『小説家になろう』『アルファポリス』に重複投稿、自サイトにも掲載。
夫が愛した幼馴染に、妻の座をお譲りします
夫が愛していたのは、幼い頃からの幼馴染だった。
伯爵夫人アデリアは、夫オスカーが幼馴染のベアトリスを屋敷に迎え、妻である自分よりも彼女を優先する姿に、ついに愛想を尽かした。
「それなら、妻の座をお譲りします。どうぞお二人でお幸せに」
そう告げて離縁したアデリアは、母から受け継いだ花の知識を生かし、王都で小さな花屋を開く。
そこで出会ったのは、店に何度も通ってくる明るく気さくな青年フィリップ。彼はアデリアを笑顔にしようと、惜しみなく愛情を伝えてくれる。
実は彼の正体は、王弟殿下で――。
一方、妻を失って初めて彼女の大切さに気づいたオスカーは、復縁を望むようになるが、もう遅い。
愛されない結婚に別れを告げたアデリアが、今度こそ心から愛される幸せを手に入れる物語。
「君を愛することはない」と毎日言われたので、離縁の日だけは聞きに行きませんでした
「君を愛することはない」 夫にそう言われながら、セシリアは一年間、二人分の夕食を用意して待ち続けた。 けれど、婚姻を継続するか決める前夜、夫は最後の約束まで破り、幼なじみと観劇へ出かけてしまう。
翌朝、セシリアは夫の書斎を訪ねず、不更新届を提出した。 慌てて差し出された更新証書にも、もう署名はしない。
私を待たせたあなたを、これ以上待つつもりはありません。 冷遇された妻が離縁を選び、自分の暮らしと新しい恋を手にする。
ログインすると感想の投稿ができます。