契約結婚ですよね?!攫われたら旦那様(仮)の好きが止まりません!
目覚めると、そこは古びた倉庫の中だった。
埃っぽい匂いが鼻をつく。隙間から差し込む光を見るに、外はもうすっかり明るいようだった。
(……やられたわね)
昨晩の夜会、旦那様(仮)であるパトリック=メルベリ公爵と義務的な夜会に参加していた。
「女避け」の仮面夫婦ではあるが、周りからは仲の良い夫婦に見えていたようだ。
なので、夜会やお茶会に参加すれば、旦那様(仮)を慕うご婦人や令嬢にずいぶんと嫌味を言われたりもした。
攫われ、なんとかして足首の縄を切って『気配隠匿』して、どうにかしようとしていたら……
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