探偵は胸を揉む:偽りの依頼人

真実(こたえ)は胸元にある。彼の「手」は救済か、変態か。

久我奏太は、触れたモノの過去を読み取る「サイコメトリー」という特殊能力を持つミステリー作家だ。

しかし、その能力の起動条件は、彼自身の人生を破壊した最大の「呪い」である。―――女性の「胸を揉み込む」こと。

過去に真実を暴こうとして「変態」の烙印を押され、社会の軽蔑の眼差しに耐えきれず隠遁生活を送っていた奏太。だが、一人の狂信的なミステリー愛好家が仕掛けた命懸けのゲームにより、彼は再び、その禁断の「手」を使うことを余儀なくされる。

「気持ち悪い」「触らないで」――。

蔑まれ、嫌悪されながらも、彼は胸を揉む。それは、愛する者を救いたいという純粋な願いと、人として最も唾棄される行為の間に引き裂かれる、孤独な探偵の物語。

これは、変態の汚名と引き換えに、究極の真実を読み解く、呪われた名探偵の物語である。
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