騎士の私が大公の娘を演じてモンゴルと婚姻交渉に行ったら、暗殺事件に巻き込まれて国ごと包囲された ~La Storia「春秋Annales」~
「……私が、殿下の娘役を?」
ストーリア大公国の秘書官、三川光。
その日、主君ヴォレールから命じられた任務は、大公の娘を偽ってモンゴルの金帳汗国へ赴き、婚姻同盟を交渉すること。
一匹の馬のせいで、この面倒事に巻き込まれたストーリアだが、常備軍は作られたばかりで、同盟は無し。
そもそも帳簿と口先だけが武器の秘書官に、なぜこんな危険な外交を?
だが、金帳で待っていたのは婚姻の席ではなかった。権力闘争、暗殺、冤罪――そして帰国した私を待ち受けたのは、三千のモンゴル精鋭騎兵による包囲だった。
帳簿で戦費を計算し、チェスで戦術を学び、純白の旗を掲げてつわものを率いる。文治十六年、A.D.1201。カルパティア山脈の東、黒海の西。英雄たちの年代記が、ここに開幕する。
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