デキナイ男と病気の女5 〜それでも家族でいたい〜
病気を抱える弥生と、どこか頼りないが優しさだけは人一倍の和茂。
そして二人に育てられる少女·輪心。
三人は、ささやかで温かな日々を過ごしていた。
ある日、輪心が世界を救った“少女”として注目を浴びる出来事をきっかけに、
三人は念願だった夢の場所へと向かう――ディズニーランド。
人混みを嫌がっていた和茂でさえ笑顔になり、輪心は自分の“目の色”を初めて褒められ、心から喜ぶ。
その一日は、三人にとってかけがえのない“家族の時間”となった。
しかし、夢の時間の裏で現実は静かに迫っていた。
輪心の実母・葵が現れ、弥生達に、とんでも無い事を言う。
病気を抱える弥生と、年老いた和茂。輪心の未来を思えば、その申し出はあまりにも正しく、そして残酷だった。
やがて輪心は葵と共に与論島へ渡る。南の島の自然と穏やかな時間の中で、輪心は少しずつ新しい生活に馴染んでいく。
だがその裏で、葵の元に戻った輪心の父·ボブは金を持ち逃げしてしまう。
夜に母を求めて泣き叫んだ輪心は、与論の海――エメラルドグリーンの光の中で、自分自身を受け入れていく。
「自分の目が好き」
そう思えたその瞬間、輪心は一歩、大人へと近づいた。
一方、東京では―
和茂が輪心のために貯めていた金を、弥生に内緒で他人に貸していたことが発覚する。
信じていた日常は崩れ、
弥生は怒りと失望の中で家を飛び出す。辿り着いた先は、与論島。再び輪心と再会した弥生は、広い空と穏やかな時間の中で、少しずつ心をほどいていく。
「ここにいればいいよ」
輪心のその一言に、
弥生は初めて“失うこと”ではなく“選ぶこと”を考え始める。
本当の“家族”とは何か。
本当の“幸せ”とはどこにあるのか。
その答えを探しながら、静かに未来へと続いていく物語。
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「ここにいればいいよ」
輪心のその一言に、
弥生は初めて“失うこと”ではなく“選ぶこと”を考え始める。
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2021/05/29 公開
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