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43話 ジンジャー&ダン編
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わたしは急いでお父様を追いかけた。
「お父様!待ってください」
そして一緒に馬車に乗り屋敷に帰った。
お父様の慌てようにお母様は驚いていた。
「貴方?どうしたのですか?」
お父様は人払いをしてわたしとお母様の三人で話をした。
「すまない、俺は言ってはいけない事をアランに言ってしまった。シャノンとジンジャーをアランに近づけたくなかった」
「どう言う事ですか?」
お母様が何の話かわからなくて驚いていた。
お父様を見てキョトンとした。
わたしは「お父様どんな酷い事を言ったの?」と叫びたかったけど、わたしもアラン様に不躾な質問をして困らせたので黙って聞いていた。
「俺は、シャノンが再婚である事、前の夫がアランの実の父である事をジンジャーには話していないから、出来るだけジンジャーと距離を取るように言ったんだ。そしてアランに誰か女性を紹介しようとしていた」
「わたしは確かにラウル様と離縁しました。でもアラン様は幼少からずっと辛い思いをして育った事を噂で聞いています。
その彼がラウル様の子だと聞いてとても不憫でした。だって彼は誰の子かも分からず周りの大人達から色眼鏡で見られ言われなくてもいい嫌なことを言われながら育ちました。そしてさらにラウル様の悪評をアラン様も一緒に受けなければいけない。
わたしはアラン様にあった事はなかった、でもこの前初めてお会いしてとても好青年でいい目をしている子だと思いました。
貴方は近衞騎士団長でしょう?家族を守る事は大切ですが、部下も家族でしょう?
アラン様を守るべきなのに突き放して汚い大人達と変わらない事をしたのですか?」
「…ぐっ……すまない、アランがうちの家族と関わる事が怖かった。あいつ自身はいい奴だ。だがジンジャーがあいつに惹かれてもし付き合ったらどうなる?
シャノンだってずっとラウルの面影を追う事になる。ジンジャーだって、あのラウルの子だ。浮気されて捨てられるかもしれない……」
「お父様!酷い!酷すぎます!アラン様をそんなふうに見ていたなんて!」
わたしはもう我慢できなかった。
お父様は優しくて強くてカッコいいはずなのに……汚い大人に見えた。
わたしは涙が止まらなかった。
わたしの所為でアラン様は傷つかないでいいのに酷い事を言われたのだ。
なのにわたしに意地悪することもなくさりげなく距離をとってくれた。
そこにわたしはアラン様の気持ちを無視して、聞いてはいけない彼のプライベートなことまで聞いて踏み込んでしまった。
「貴方、わたしに謝りに来て何がしたいのですか?許せと?わたしは何も傷ついてもいないしそのことで困ることもないわ。話す順番をお間違いしていませんか?」
「…………そうだな……悪かった。俺はアランに謝るのが先なのに……」
お父様は黙って部屋から出て行った。
わたしはお父様について行こうとしたが
「貴方は行かないでいいわ、行くなら別の時にしなさい、貴方の浅はかな行動は使用人から報告が上がっているわ」
「……はい」
お母様はいつも優しい。
穏やかで怒ることはあまりない。
「ジンジャー、自分の気持ちに素直になるのは悪いことではないわ、でもね相手に迷惑をかけるのはいかがなものかしら?」
お母様の声だけでわたしは怖くて何も言えなくなった。
「わたしの過去を話さなかったのは、過去のことで必要以上にアラン様に対して敏感になって欲しくなかったからなの。あの子はずっと人の目に晒されて苦しんで苦労しているのを知っているの。
だから貴女がアラン様と知り合いになったと聞いても言わなかったの。もう少し大人になって貴女が状況を把握できるようになってから話すつもりだったの……でも後悔しているわ、話すべきだった。
二人がアラン様を傷つけていたのね、それは全てわたしの責任だわ。ダンはわたしのことを思いすぎてアラン様に対してきついことを言ったみたいだし……貴女も知っていれば二股なんて馬鹿なこと図書館で言ったりしなかったはずだわ。ごめんなさい、わたしが早く説明するべきだったわ」
わたしは、アラン様にそんなに酷いことを言ったの?
ただ質問したかった。
ただ話したかった。
それがアラン様の迷惑になるなんて考えてなかった。
謝りにも行かせてもらえない。
わたしはそんなに馬鹿なことを言ったの?
「お父様!待ってください」
そして一緒に馬車に乗り屋敷に帰った。
お父様の慌てようにお母様は驚いていた。
「貴方?どうしたのですか?」
お父様は人払いをしてわたしとお母様の三人で話をした。
「すまない、俺は言ってはいけない事をアランに言ってしまった。シャノンとジンジャーをアランに近づけたくなかった」
「どう言う事ですか?」
お母様が何の話かわからなくて驚いていた。
お父様を見てキョトンとした。
わたしは「お父様どんな酷い事を言ったの?」と叫びたかったけど、わたしもアラン様に不躾な質問をして困らせたので黙って聞いていた。
「俺は、シャノンが再婚である事、前の夫がアランの実の父である事をジンジャーには話していないから、出来るだけジンジャーと距離を取るように言ったんだ。そしてアランに誰か女性を紹介しようとしていた」
「わたしは確かにラウル様と離縁しました。でもアラン様は幼少からずっと辛い思いをして育った事を噂で聞いています。
その彼がラウル様の子だと聞いてとても不憫でした。だって彼は誰の子かも分からず周りの大人達から色眼鏡で見られ言われなくてもいい嫌なことを言われながら育ちました。そしてさらにラウル様の悪評をアラン様も一緒に受けなければいけない。
わたしはアラン様にあった事はなかった、でもこの前初めてお会いしてとても好青年でいい目をしている子だと思いました。
貴方は近衞騎士団長でしょう?家族を守る事は大切ですが、部下も家族でしょう?
アラン様を守るべきなのに突き放して汚い大人達と変わらない事をしたのですか?」
「…ぐっ……すまない、アランがうちの家族と関わる事が怖かった。あいつ自身はいい奴だ。だがジンジャーがあいつに惹かれてもし付き合ったらどうなる?
シャノンだってずっとラウルの面影を追う事になる。ジンジャーだって、あのラウルの子だ。浮気されて捨てられるかもしれない……」
「お父様!酷い!酷すぎます!アラン様をそんなふうに見ていたなんて!」
わたしはもう我慢できなかった。
お父様は優しくて強くてカッコいいはずなのに……汚い大人に見えた。
わたしは涙が止まらなかった。
わたしの所為でアラン様は傷つかないでいいのに酷い事を言われたのだ。
なのにわたしに意地悪することもなくさりげなく距離をとってくれた。
そこにわたしはアラン様の気持ちを無視して、聞いてはいけない彼のプライベートなことまで聞いて踏み込んでしまった。
「貴方、わたしに謝りに来て何がしたいのですか?許せと?わたしは何も傷ついてもいないしそのことで困ることもないわ。話す順番をお間違いしていませんか?」
「…………そうだな……悪かった。俺はアランに謝るのが先なのに……」
お父様は黙って部屋から出て行った。
わたしはお父様について行こうとしたが
「貴方は行かないでいいわ、行くなら別の時にしなさい、貴方の浅はかな行動は使用人から報告が上がっているわ」
「……はい」
お母様はいつも優しい。
穏やかで怒ることはあまりない。
「ジンジャー、自分の気持ちに素直になるのは悪いことではないわ、でもね相手に迷惑をかけるのはいかがなものかしら?」
お母様の声だけでわたしは怖くて何も言えなくなった。
「わたしの過去を話さなかったのは、過去のことで必要以上にアラン様に対して敏感になって欲しくなかったからなの。あの子はずっと人の目に晒されて苦しんで苦労しているのを知っているの。
だから貴女がアラン様と知り合いになったと聞いても言わなかったの。もう少し大人になって貴女が状況を把握できるようになってから話すつもりだったの……でも後悔しているわ、話すべきだった。
二人がアラン様を傷つけていたのね、それは全てわたしの責任だわ。ダンはわたしのことを思いすぎてアラン様に対してきついことを言ったみたいだし……貴女も知っていれば二股なんて馬鹿なこと図書館で言ったりしなかったはずだわ。ごめんなさい、わたしが早く説明するべきだったわ」
わたしは、アラン様にそんなに酷いことを言ったの?
ただ質問したかった。
ただ話したかった。
それがアラン様の迷惑になるなんて考えてなかった。
謝りにも行かせてもらえない。
わたしはそんなに馬鹿なことを言ったの?
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