仕えるのはもう終わりです――退職した年上侍従に、年下公爵が「今度は俺に甘えて」と求婚する
誰かの不始末を引き受け、休日にも呼び戻される。
そんな暮らしを終えるため、三十五歳の侍従フィンは公爵家を退職した。
引継ぎは済ませた。預かっていた鍵も返した。
これからは町の宿で働き、自分の好きな本を読み、休みの日には芝居を最後まで観たい。
ところが、軍務から戻った二十八歳の公爵アーロンが、フィンを訪ねてくる。
「あなたに会いたくて来た」
朝食に誘われ、休日の外出へ連れ出され、欲しいものを尋ねられる。
世話を焼くことなら得意なのに、自分が甘やかされるとなると、どうしていいか分からない。
張り切りすぎる年下の公爵に、欲しいものは欲しい、違うものは違うと伝えるうちに、フィンにも新しい望みが生まれていく。
この男を笑わせたい。自分から触れたい。もう少し、一緒にいたい。
そんな折、元の屋敷から届いたのは、退職を認めず復職を迫る命令だった。
忠義を理由に、自分の時間を差し出すのはもう終わり。
けれど、好きになった相手には――甘えることも、甘やかすことも選びたい。
一途な年下公爵と、甘えるのが苦手な年上元侍従の、休日から始まる恋。
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