褐色の恋人はスタージャ
異国の王子に婚約を申し込まれたのは、砂漠の国の“第十八王女”――でも、私は転生者です。
ブラック企業で過労死した社畜OLが、気づけば砂漠の王国・サーリャの王女スジャータに転生していた。
地味で空気のような十八番目の王女として扱われていたが、持ち前の行動力でオアシス探索の任務に志願。
そこで出会ったのは、隣国ノルディアの王子・レオンハルト。
彼を砂漠で助けたことで、運命の歯車が大きく回り始める。
「この国には、こんな肌の色の女はいない」
「……最後、変なこと言わなかった?」
異文化の差別、婚約者クラリッサからの敵視、奴隷として売られていた同胞の子どもたちとの再会――
次々と巻き起こる事件に、スジャータは“十八番目だから目立たない”などと自虐している暇もない。
だが、ノルディア王子から突如告げられたのは、自国の婚約者クラリッサとの破棄と、スジャータとの新たな婚約。
当然、スジャータは即座に断る。
「ノルディア側の一存で、私も私の国も承知していません。……お断りします」
だが王子は本気だった。
母女王ザフィーラの「娘の心を射止めよ」という条件のもと、全ての責任と誠意を背負って再び砂漠の国へ向かう。
その覚悟に、スジャータの心にも少しずつ変化が――
「この世界で、誰かに“選ばれる”のではなく、“選ぶ”側になれるなんて」
誇り高き王女と、誠意を尽くす隣国の王子。
政治の論理を超えて、ふたりがたどり着いた答えとは。
「――仕方ないわね。あなたの覚悟、買ってあげる」
白と褐色、差別と尊重、義務と恋愛が交錯する――
選ばれなかった者たちが、選び取る未来の物語。
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