『光年を刻む秒針 ―海王星の揺りかごで君と―』
舞台は西暦2242年。人類は太陽系の各惑星に居住区を広げていますが、地球から最も遠い海王星(ネプチューン)の観測基地は、その過酷な環境から「太陽系で最も孤独な場所」と呼ばれています。
若き天文学者ハルトは、海王星の衛星トリトンにある観測所で、太陽系外から届く謎の信号を解析する任務に就いています。そこで彼は、重力異常の調査で派遣されてきた技術者の女性ミナと出会います。二人は海王星の「ダイヤモンドの雨」が降る空の下、天文学の語らいを通じて次第に惹かれ合っていきます。
しかし、ミナにはある秘密がありました。彼女の身体は、火星での事故の後遺症により「地球の標準時間」とは異なるペースで老化が進む時間希釈症を患っていたのです。二人の過ごす一秒は、宇宙のスケールではあまりに短く、切ない。太陽系の果てで、天文学の真理と「永遠の愛」の矛盾に直面する二人が出した答えとは――。
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