一冊だけ売れた。そして誰もいなくなった。
初めて出した電子書籍が、売れた。たった一冊だけ。
購入者の名前も顔も分からない新人作家・玲は、その謎の読者を勝手に「第一号さん」と命名する。
そして想像の中の第一号さんは、なぜか薔薇をくわえた貴族風の美青年へ。
販売数は「1」のままなのに、ランキング1位をきっかけに第一号さんだけがどんどん豪華になり、ついには最高レア級の輝きを放ち始めて――。
顔も名前も、男か女かさえ分からない。
それでも確かに、自分の物語を選んでくれた「たった一人」がいる。
一冊の売上から始まる、新人作家と名も知らぬ第一号読者の、ちょっとおかしくて少し温かい物語。
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