臨界温度 ― 三十年前の「ゼロ」を追え。
大学四年の春。佐伯淳は「なんとなく面白そう」で超伝導材料の研究室に入った。試料を混ぜ、焼き、測る。失敗も含めて実験が面白くなってきた頃、地下の資料室で三十年前の実験ノートを見つける。
余白には「室温超伝導」の五文字。抵抗値はほぼゼロ、三回再現した――そう記されていた。
本当なら、なぜ公表されなかったのか。間違いなら、何を見落としたのか。
「だったら、自分で確かめてみればいい」
普通の卒業研究のかたわら、淳は秘密の追試を始める。ノートの筆者は誰なのか。なぜ、その記録は地下で眠っていたのか。調べるほど、研究室の過去にも不自然な空白が見えてくる。
大学研究室の日常から始まる、科学×研究室ミステリー。
※毎日19時半更新
※小説家になろう・カクヨム・アルファポリスに同時掲載しています。
余白には「室温超伝導」の五文字。抵抗値はほぼゼロ、三回再現した――そう記されていた。
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