たとえ呪いの魔女になろうも、この身を焦がすのは焚刑ではなく殿下の愛だけです

ロゼ色の瞳は不純な者ほど狂わせる。
目を合わせた瞬間、その者は自分の本性をさらけだしてしまう。
彼女に近づけば悪意を読み取られてしまう。

辺境伯の娘ルーヴェッタは領民から忌避され恐れられていた。
【真贋】【暴露】【制約】の三つの呪いが、彼女に関わった者を不幸にしてしまうからだ。

彼女という存在は呪われた魔女そのものだった。

ルーヴェッタに何も罪はない。
けれど、誰にも人としては扱って貰えない。
実父や継母も、娘ではなく単なる小間使いとしてしか見做してくれない。
異形の者と非難し、腫れ物として扱ってくる。

理不尽なまでに過酷な日々を過ごすルーヴェッタだが、春風は突如として舞い込んできた。
父に付き添い赴いた隣国の舞踏会で、彼女の運命は大きく進展する。
輝かしい社交の舞台において出逢った殿方は、なんと王太子殿下だった。

夢のような一時を過ごしたルーヴェッタの心に光が灯る。
それが何なのか、理解はしていたがどうすることもできない。

王太子と辺境の魔女が共にいれられる未来など想像できなかった。

「僕たちは今を生きているんです。
見えない先を怖がるよりも、今日を変えていきませんか?」

目の前で起きた奇跡とともに、王太子である彼は微笑んだ。
自身の運命を変えるのは決して簡単なことではない。
けれど、諦める理由にはつながらない。
王太子の言葉を信じルーヴェッタは、変わりたいと強く願う。
その望みを叶えるきっかけとなったのは、賢者からのメモだった。
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