蛙の子は蛙

私の夫は言っていた。

「父上の女癖の悪さにいつも母上は泣いていた。俺は父上のような屑にはならない」

彼の父上の女癖の悪さは社交でも有名だった。女たらしでいつも女性と話していたわ。

でも蛙の子は蛙ね。

あれだけ愛人の存在が母親を苦しめたと言っていたのに。

あれだけ鼻につく香水の匂いに吐き気がしたと言っていたのに。

今の貴方はまるで貴方が忌み嫌った父親と同じよ?

母親の涙は見たくないけど、妻の涙は気にならないのね。そうね、私の涙なんて見ていないもの。

私は隠れて泣くのよ?


 ❈ 作者独自の世界観です。
 ❈ 作者独自の設定です。

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