ライオンガール
「なあレオポルド、君の心臓を僕にくれないか?」
火の輪をくぐるライオンのように、強く勇敢であれたらーー。
アヴリルは、どこにでもいる普通の女の子だった。少し違うところがあるとしたら、ボーイフレンドが絶えないこと。好きでもない相手と付き合ってばかりで、心から愛する人には出会えない。
シドニーで暮らしていた彼女は両親の離婚により、南米アルゼンチンのブエノスアイレスに引っ越す。だがそこで待っていたのは、一人の女からの嫉妬による陰湿ないじめだった。
そんなある日、彼女はある理由からネロという青年に化けて、引きこもりの伯父ケニーとともにアルゼンチン最大のスラムであるバラックエリアに足を踏み入れ、銃撃戦に巻き込まれる。
命からがら逃げた二人が乗り込んだのは、イギリスから来たサーカス団『ミルキーウェイ・トレインサーカス』が移動に使うためのサーカス列車だった。
サーカスの最終公演地が大切な友人であるオーロラが引っ越したロンドンと聞き、アヴリルはネロの姿のままで旅に同行することに決める。
動物の世話や雑用をするという条件でロンドンまで乗せてもらうことになるものの、クラウンを演じることになり、冷酷で非道な団長の下練習が始まる。
喜びや痛みを分かち合える仲間たちと出会い友情を育む中で、アヴリルの中にこれまでとは違う感情が生まれ始める。
※作中に出てくるパフォーマンスは宮沢賢治作『銀河鉄道の夜』プリシオン海岸のクルミ発掘の場面をモチーフにしていますが、実際の内容とはかけ離れた寸劇になっていることをご了承ください。
※参考文献は最終ページに記載しています。
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係ありません。
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