骨喰いの旅支度
「イサ、鍋が逃げた!」
巨獣の亡骸が森になり、街になり、次の獣の食べ物にもなる屍原。
人間だった記憶を持つ修理屋イサは、三つの眼と六本の肢、二つの口を持つ継喰いとして暮らしていた。
腹の口では骨を噛み、胸の口では今日の飯を食う。
欲しいのは自分の屋台。行きたいのは、まだ食べたことのない朝飯がある場所。
旅商人の仕事を請けたイサは、塩が雪のように降る肺、青く光る胃砂、道を閉ざす巨大な膜を渡っていく。
火を扱う職人、小さな翅の案内人、石肌の護衛、なぜかできた弟子。
同じ荷を運ぶ仲間にも、別々の夢と財布があった。
やがて空のはずの荷から、小さな呼吸が聞こえてくる。
骨鉤と綱、糊と火、誰かと分ける一皿。
未知の生き物との戦いも、失敗した仕事も、失いたくない相手との出会いも積んで、五年に一度の市へ。
人外の修理屋が自分の店を引く、異世界冒険ファンタジー。
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同じ荷を運ぶ仲間にも、別々の夢と財布があった。
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