ふたりぶんの落第者
試験の受付には、一人分の名前を書く欄しかなかった。
日本で病死した記憶を持つガクと、この世界だけを生きてきたニル。
二つの頭、二つの心、一つの身体。双心種として育った二人は、護衛の試験に落ちた。
普通に働ければいいと願うガク。勝つ前から諦めるなと怒るニル。
同じ痛みは感じても、相手の考えは読めない。歩幅が違えば転び、息を合わせすぎても技が噛み合わない。
次の受験料を稼ぐ旅は、空に浮く麦畑、鉱石が歌う峡谷、殻の中に雨が降る森へと続いていく。
やがて二人は、人々の違いを均して守ろうとする研究者と、押しつけられた基準を壊そうとする転生者に出会う。
「この世界は矛盾している。キミもそう思わないか?」
その問いに、二人は別々の声で答え始める。
不揃いのまま勝ちにいく、異世界冒険ファンタジー。
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