不死の樹が笑うとき

 数千年もの時を魔導研究に費やした不死者ギルセリオン。
 彼が最後に見出したのは、偉大な魔法の理ではなく――絶望の中に取り残された、四人の子供たちだった。

 羨望と悪意に晒され、堕天した天使の少年。
 異形の角を理由に壮絶ないじめを受けた牛獣人。
 闇魔法を発現し、火炙りの刑に処されかけた少女。
 国を守ろうと戦い、暴走した力で味方すら傷つけ追放された精霊。

 寄る辺のない彼らを拾い上げ、育て、導いた日々は、不死者にとってかけがえのないものだった。
 しかし、幸せな時間は長く続かない。因果の果てに、ギルセリオンは意思を失い、“ただの樹”と成り果ててしまう。
 残されたのは、小さな四人。
 だが彼らは泣き叫びながらも、不死者の温もりを心に刻み、立ち上がる。

 怒りに燃え、努力を重ねる堕天使。
 名誉を求め、拳を血に染める牛獣人。
 怯えながらも、蜘蛛の影を塗り替える少女。
 雷に震え、なおも笑顔で前に進む精霊。

 世界は彼らを拒絶する。
 だが、拒絶され続けたからこそ、四人は抗う術を知る。
 異能を高め、命を削る訓練に耐え、血と涙と狂気を糧に成長していく。
 これは――不条理な世界への逆襲の物語。
 弱者に過ぎなかった子供たちが、やがて己の力で這い上がり、成り上がり、世界に抗う伝説へと至る。
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