大樹と君と僕と
今は昔と言うけれど、僕は仕事を辞めて、三年振りの登山に出かけた。三年振りのせいなのか、何度も来ていた山だったが、その帰り道、山の中で道に迷ってしまった。分からないまま峠道を進む。道筋があるのだから、そのうち麓に降りられると思っていた。しかし、黄昏時になって2000年生きてきた大樹に出会い、迷い込んだ村は2000年昔の村だった。そこに居た裸の娘は、あの大樹から生まれたと言う。翌朝、麓を目指して下山するが、何故かまた、2000年昔の村に戻って来てしまう。僕はこの村から出られない。今日も月見草の花が咲いている。
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