天体・星図 小説一覧
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蒸気機関車の汽笛音が街の挨拶のように鳴り響く街の路地裏でひっそりと営まれる『レン修復工房』の扉を叩く音がした。
扉の向こうから現れたのは質素な外套の下に鮮やかな金髪と碧眼を隠した女性。名前はアリア。彼女が差し出したのは留め具が壊れボロボロに擦り切れた一冊の革表紙の本だった。それは10年間彼女と一緒に旅をしてきた父の唯一の形見。
「これを見て欲しいの。私はこの本そのものも大切だけれど……父がそこに込めていた想いを知りたいの」
日誌の記述は 120ページ で唐突に途切れ、そこには『どうか生きてくれ』という祈りと赤黒い染みだけが残されていた。だがアリアが本当に解き明かしたいのはその先にある空白のページ。最終 315ページ目にある無数の不規則な穴の正体だった。
壊れたものに情熱を傾ける色素の薄いスチールグレイの髪と瞳を持つ修復士・レンと神秘のヴェールに包まれた金髪碧眼の踊り子・アリア。始まりは小さな依頼。そこから二人は日記の最後のページの本当の意味を探る旅に出ることになる。
※不定期更新になると思いますが、お付き合いいただけますと嬉しいです。
※私の妄想した架空世界のお話です。
※誤字脱字、また文章がおかしな箇所も多々あるかもしれません。どうぞご容赦ください。
文字数 51,154
最終更新日 2025.12.21
登録日 2025.12.16
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