小石川養生所 小説一覧

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小石川養生所 薬師控 〜匂わぬ毒〜

天明七年、春。田沼意次が失脚し、白河の殿様の名が囁かれはじめた江戸。 上坂健次郎は、小石川養生所の薬師見習いである。十五で薬研を握って三年目。旗本家の次男とは名ばかりの部屋住みで、祖父は百姓から身を起こした男だった。 健次郎は鼻がきく。 相模の陣屋で、代官が急死した。医師は病死と断じ、銀の毒見針も変色しなかった。だが健次郎は、遺された薬包に、あるはずの甘い香りがないことに気づく。 勘定方に勤める兄・優一郎とともに、健次郎は陣屋へ向かう。それは相模から日本橋へ、そして江戸城の奥へと続く道の入口だった。 和漢の毒から、南蛮渡来の未知の毒へ。 薬師は人を殺さない。その一線を守ったまま、毒を解き明かすことはできるのか。 滝川健四郎の事件帖の五十三年後、孫の代の物語。単独でもお読みいただけます。
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