ミステリー 蒸し焼き 小説一覧
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迎える炎、立ち去る煙
一人息子を交通事故で失った母・由紀は、深い喪失の底に沈んだまま、立ち直れずにいた。
仕事を辞め、家に閉じこもる彼女を支えるのは、薬剤師である姉・日奈子だけだった。
息子の死を境に、夫婦の関係は静かに、しかし確実に崩れていった。
そんな由紀のもとへ、日奈子が古くから伝わる黒い秘薬——「白腹イモリの黒グスリ」を持ってきた。
死者と会話できるという言い伝えを持ち、死で引き裂かれた親子を再び引き合わせるとも言われる薬。使い方を誤れば、それは強力な毒となる。
八月十三日。
由紀の前に亡くなった息子・新が現れる。
一方、夫の孝仁にはその姿が見えていないようだった。黒グスリの存在を知った孝仁は、由紀に薬を求める。
由紀の前に現れた新は、本当に死者として帰ってきたのか。
孝仁は何を隠しているのか。
三袋渡された黒グスリのうち、残る一袋はどこにあるのか。
喪失を抱えた家族のすれ違いと、死者との再会を約束する秘薬の謎が交錯する、怪異ミステリー。
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