恋愛 科学者助手✕トンチキ科学者小説一覧

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恋愛 完結 長編 R18
 「悪いが、セイシを分けてくれないか? 180ccほどでいい。なるべく新鮮なものを出してくれ」  唐突に、突きつけられたフラスコ。  は? なにを? なにを分けろと?  「いやいやいやいや、ムリッ! ムリですよ、アグネス!」  いくらなんでもそれはムリ。「精子を出せ」→「はい、わかりました。ちょっと出しますから待っててください」ってヤツじゃないでしょ、精子ってもんは!  「研究所では、アグネスではなく、〝博士〟と呼べ、カトー」  フラスコ片手に胸を反らす博士、アグネス。  大きすぎる丸メガネに、大きすぎる胸のせいではち切れそうな白衣姿。十年前、浜に打ち上げられてた俺を助け、「サイトー」と名付けた人。……密かに、俺の好きな人。  「ホムンクルスを作りたいのだ。だから出せ」  いや、「出せ」って言われても。ってか俺、好きな女に、何を要求されてんだ?  聞けば、最強の武器になる「カワイイ」を研究するため、カワイイの塊である赤子が必要らしく。ここに赤子はいないから、代替でホムンクルスを作ろうと思い立ったのだとか、なんとか。  このトンチキ思考博士め。  ため息と同時に、底意地悪いイタズラを思いつく。  「博士。俺の精子を差し上げることは構いませんが、その代わり、もう少し別の方法を試してみませんか?」  「別の方法?」  「フラスコじゃなく、博士のお腹で醸成させるんです」  ようはただのセックスだけど。  「わかった。ぜひ、やってみよう。ジトー」  ……俺の名前、サイトーじゃなかったっけ?  こじらせ片思い助手✕一般常識欠落トンチキ女博士の、順番手順間違い恋愛物語。
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文字数 60,427 最終更新日 2024.03.27 登録日 2024.03.10
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