ライト文芸 遊郭 小説一覧
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あれは、細い月が浮かぶ夜。
偶然を装った必然の出会いに、柚月は禁断の恋へと堕ちていく。
柚月一華(ゆづき いちげ)。
彼は、政府転覆を狙った組織「開世隊(かいせいたい)」お抱えの人斬りだった。
紆余曲折を経て、今は政府の宰相、雪原麟太郎(ゆきはら りんたろう)の小姓をしている。
開世隊との戦が終わり、平穏な日々が続く中、柚月の中にだんだんと、だが確実に、自覚され大きくなってく、罪の重さ。
「俺は所詮、人斬りだ」
そう思いながら、止められない椿への思い。
その椿もまた、人斬り。
それも、柚月を殺そうとしていた人物だというのに。
「好きだ」
いやもう、めっちゃ好き。
好きがだだ洩れている。
そんな椿も、表向きは雪原の世話係。
忙しい雪原について、ずっと城に泊まり込んでいた。
それが、雪原が「本宅に帰る」と言うので、椿は久しぶりに柚月が住む雪原の別宅に帰ってきた。
椿自身気づいてはいないが、足どり軽く。
椿もまた、柚月に会えるのを楽しみにしていたのだ。
だが、もじもじすれ違う二人。
おまけに、椿と仲良さげに話す男まで現れて⁉
さらに、二人の主人雪原は、柚月を遊郭に連れて行き、自分の馴染みだという遊女、白峯(しらみね)と契りを交わすよう柚月に迫る。
柚月と椿。
二人の恋は、前途多難。
一つよにさく華となれ。
幕が開け、渡りを経て、嵐の予兆が訪れるまでの、ほんの隙間の物語。
文字数 28,327
最終更新日 2022.04.13
登録日 2022.03.26
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暮れ六つ過ぎ。
十日ごとに遊郭に現れる青年がいる。
柚月一華(ゆづき いちげ)。
元人斬り。
今は、かつて敵であった宰相、雪原麟太郎(ゆきはら りんたろう)の小姓だ。
人々の好奇の目も気に留めず、柚月は「白玉屋」の花魁、白峯(しらみね)の元を訪れる。
遊ぶためではない。
主の雪原から申し渡された任務のためだ。
隣国「蘆(あし)」の謀反の気配。
それを探る報告書を受け取るのが、柚月の今回の任務だ。
そんな中、柚月にじわりじわりと迫ってくる、人斬りだったことへの罪の意識。
「自分を大事にしないのは、自分のことを大事にしてくれている人を、大事にしていない」
謎の言葉が、柚月の中に引っかかって離れない。
「自分を大事にって、どういうことですか?」
柚月の真直ぐな問いに、雪原は答える。
「考えなさい。その答えは、自分で見つけなさい」
そう言って、父のように優しく柚月の頭を撫でた。
一つよに咲く華となれ。
文字数 46,727
最終更新日 2021.09.24
登録日 2021.09.01
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