ライト文芸 大正ロマン風 小説一覧
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七曜の花嫁 ~嫁いだ六人は、すべて幸せであつた~
大正の末。山が鳴りはじめると、七久里村は御名山へ花嫁を送る。
十七のあさに渡されたのは、『七久里花嫁帳』——これまでに嫁いだ六人の花嫁の記録だった。
輿入れまでの七日間、一日にひとりぶんだけ読むことを許される。
月の花嫁は、ひとことも問わなかった。だからよき花嫁だった。
火の花嫁は、神を怒らせ、社ごと焼かれた。
水の花嫁は、村を救うため、みづから沈んだ。
――どの頁にも、同じ一行が書き足されている。「幸せであつた」と。
太い筆で。濃い墨で。五人ぶん、まとめて。
白紙のまま綴じられた六人目の頁は、三年前に山から帰り、それきり口をきかない姉のものだった。
七日目。あさは自分の頁に、たった一行を書く。
「わたくしは、なをききます」
大正末、和風あやかし。全十四話。
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文字数 52,832
最終更新日 2026.08.23
登録日 2026.08.10
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押し花の記憶
「あら、懐かしいねぇ。このお花はね、あの人が初めて私を花に例えてくれた時にね……。でもねぇ、あの人はとにかくモテたし、他に好きな女性がいたんだよ」
夏休みのある日、母方の祖母の家に遊びに来ていた眞田やよいは、屋根裏部屋でアルバムを見つける。そこには、写真よりも押し花の方が多く貼られていて……。
祖母、梅ヶ枝三千代は懐かしそうに話しはじめた。それは、夫泰隆にまつわるお話で……
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文字数 8,190
最終更新日 2019.08.01
登録日 2019.07.31
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