笑ゥせぇるすまん風 小説一覧

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不思議な爺さん短編集

不思議な爺さん短編集 街のどこかに、 ひっそりと存在する古びた店。 薬局のようで薬局ではなく、 雑貨屋のようで雑貨屋でもない。 そこにいるのは、 白髪混じりの、小柄な老人。 「ふぉっふぉっふぉっ……」 儲けには興味がないと言いながら、 時折、不思議な品を差し出す。 それは薬だったり、 飲み物だったり、 食べ物だったり、 時にはまったく別の“何か”だったり。 効くかどうかは保証しない。 だが―― 使った者の人生は、少しだけ動き出す。 奇跡ではない。 魔法でもない。 ほんの少しの“きっかけ”。 この短編集は、 そんな老人の周りで起こる 小さな非日常の物語を集めたシリーズである。 信じるか信じないかは、 あなた次第。 ふぉっふぉっふぉっふぉっ。
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隣の隣人?奇人?変人?宇宙人?

隣の隣人?奇人?変人?宇宙人?  東京に出てきて、最初に覚えた言葉は「家賃」だった。  山村花子、十八歳。  田舎から逃げるように上京し、手に持っていたのはスーツケース一つと、ほとんど中身のない通帳だけ。 「とにかく安いところでいいです。  どこでもいいので」  不動産屋でそう言った瞬間、若い社員の顔がピタリと固まった。  パソコン画面を見つめ、キーボードに指を置いたまま、数秒。  数十秒。  やがて小さく咳払いをする。 「……安い、ですか」  花子はうなずいた。 「多少古くても、狭くても大丈夫です。  寝られればいいので」  社員は困ったように眉を下げ、首をかしげた。  そのときだった。 「――一軒だけ、あるぞい」  背後から、しわがれた声がした。  振り返ると、いつの間に立っていたのか、小柄な爺さんが一人。  不動産屋の制服でもなく、客にも見えない。  まるで、そこに最初からいたかのような顔をしていた。 「家賃五千円じゃ」 「……は?」  思わず声が漏れる。  社員も同時に振り返り、驚いた顔をした。 「い、いや、その物件は……」 「空いとる。  住めるかどうかは、本人次第じゃがな」  爺さんは、にやりとも笑わず、ただそう言った。  数十分後。  花子は、爺さんの案内で、都心から少し外れた場所に立っていた。  すんげー木造。  壁は歪み、廊下は軋み、今にも倒れそうな二階建てのアパート。  正直、見た瞬間、帰りたくなった。  ――でも。 「家賃、月五千円」  その一言で、すべてがどうでもよくなった。  こうして、花子はそのアパートに住むことになった。  後になって、気づく。  このアパートには、奇妙なことが一つだけある。  隣人は変わらない。  隣の隣人が、毎回変わる。  昨日までいたはずの人が、翌日にはいない。  知らない顔が、何事もなかったように住んでいる。  なのに、誰に聞いても言うのだ。 「え?  隣の隣人?  最初から、そんな人いましたっけ?」  花子はまだ知らなかった。  ――この距離が、一番おかしいということ
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