信頼から始まる恋 小説一覧

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婚約者は私を捨て、私の持参船で愛人と新婚旅行へ。お二人だけ港に残して出航します

「明日、この船でカミラと新婚旅行へ出る。もう婚約者でもない君には関係ない」 海運伯爵家の令嬢オリヴィアは、没落しかけた侯爵家嫡男ルーカスとの結婚後に領地を再建するため、三年かけて持参船〈暁の鴎〉号を準備してきた。 船員をそろえ、航路を整え、翌朝には嵐で被害を受けた島々へ出航する予定だった。船倉には、備蓄があと二日で尽きる島民へ届ける食糧、薬、毛布が積まれている。 ところが出航前日、港へ着いたオリヴィアが見たのは、船から降ろされる救援物資と、代わりに積み込まれる衣装箱、酒樽、鏡台、長椅子だった。 船上にはルーカスと、その愛人カミラがいる。 ルーカスはオリヴィアとの婚約を一方的に解消し、カミラとの婚礼と新婚旅行、さらに自分の私的事業へ〈暁の鴎〉号を使うと告げた。 「この毛布、少し獣臭いのですもの」 カミラも救援物資を邪魔扱いし、自分の衣装と家具を優先する。 けれどルーカスは、大切な二つの事実を軽んじていた。 〈暁の鴎〉号は、結婚が成立するまではオリヴィアの所有物。そして船員たちを雇っているのは、オリヴィアの実家である。 救援先を治めるフレデリック辺境伯は、島の備蓄があと二日だと伝えても、オリヴィアへ命令しない。 「この船をどうするかは、あなたが決めてください」 裏切られた痛みを抱えながら、オリヴィアは自分で救援続行を決める。船員たちと物資を積み戻し、翌朝、予定どおり出航すると宣言した。 それでもルーカスは、招待客の前ならオリヴィアは逆らえないと考え、新婚旅行の出航式を強行する。 「錨を上げろ。出航だ!」 しかし、船員は誰一人動かなかった。 これは、自分を財産として扱った元婚約者と愛人を直接船から降ろし、救援を成功させた海運令嬢が、船と信用、新しい定期航路、そして判断を尊重してくれる相手との未来を自分の手で選び直す物語。 全6話・完結。直接ざまぁ、お仕事上の正当評価、対等な関係から始まる異世界恋愛です。 婚約を解消するという申し出は、受け入れます。 ですが、この船をどう使うかまで、あなたに決めさせるつもりはありません。
恋愛 完結 短編
文字数 13,854 最終更新日 2026.08.07 登録日 2026.08.07
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「偽聖女だ」と追放された私ですが、国境の枯れ地を蘇らせました。神殿が選んだ「本物の聖女」では、白い花が一輪も咲かなかったそうです

聖女選定の日、子爵令嬢リディアの水晶は光らなかった。 まばゆい光を放った公爵令嬢クラリッサが「本物の聖女」に選ばれ、リディアは偽聖女として王都から追放されてしまう。 誰もがリディアを偽物と決めつける中、北の国境を治めるアルノー辺境伯だけは、彼女が断罪の最中にも枯れかけた祭壇花へ水を与え、その葉をわずかに蘇らせたことを見ていた。 「私の領地に必要なのは、立派な光ではない。枯れたものへ手を伸ばせる者だ」 アルノーから国境へ来ないかと誘われたリディアは、自分の力を確かめるため、その手を取る。 国境に広がっていたのは、長年の瘴気で灰色に枯れた土地だった。 リディアは大きな奇跡に頼らず、住民たちと石を拾い、水路を直し、一畝の土から再生を始める。やがてその畝に一輪の白い花が咲き、花は丘を満たし、濁った水と土にも少しずつ命が戻っていく。 だが神殿は、白い花を冒涜の証拠として処分するよう命じてくる。 一方、王都では神殿が選んだ「本物の聖女」が、予定されていた豊穣祈願に臨んでいた。 強い光を放つクラリッサ。しかし、目の前の種は一つも芽吹かない。 国境を白い花で満たした偽聖女と、一輪も咲かせられない「本物」。誰にでも分かる結果によって、神殿の誤った認定は覆っていく。 これは、偽物と呼ばれた令嬢が、自分を結果が出る前から信じてくれた辺境伯と土地を蘇らせ、名前と自分で選ぶ未来を取り戻す物語。
恋愛 完結 短編
文字数 17,338 最終更新日 2026.07.23 登録日 2026.07.23
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