末っ子 小説一覧
3
件
1
世界で、まだ俺しか知らない、いちばん、うつくしい蝶の、幼虫。
全寮制の中高一貫男子校に通う朝見唯希は、寝食をおろそかにして絵にのめりこむ同級生、中山終一に夜食を運ぶのを日課にしている。生きるのが下手くそで、不器用で、かわいそうな終一を、守って、甘やかして、愛して。いつか彼が、うつくしい羽を広げるところを見るのが、唯希の夢だった。入学から数えて六度目の夏、最後の『学内コンテスト』が近づく。絵の神様に愛された天才、森純太と競う最後の機会に、じわじわと追い詰められていく終一。その横顔を見つめながら、唯希は言えない恋慕を募らせていた。一方で終一も、太陽のように朗らかな唯希の心を欲しがりながらも、好きだとは言えないままだった。
笑っていて。
幸せでいて。
でも、俺から離れないで。
まだ、寂しがるには早いけど『来年』がないことを意識せずにはいられない初夏の空の下、不器用で、言葉足らずで、臆病なふたりは、互いの手を取りあえるのか――――。
隠れ甘え上手な執着と独占欲の塊×甘え下手なお兄ちゃん気質の寂しがり屋の、最後にしたくない初夏が始まる。
文字数 105,893
最終更新日 2025.08.13
登録日 2025.08.06
2
マリリン・モントワール伯爵令嬢。
実家が運営するモントワール商会は王国随一の大商会で、優秀な兄が二人に、姉が一人いる末っ子令嬢。
地味な外観でパーティには来るものの、いつも壁側で1人静かに佇んでいる。そのため他の令嬢たちからは『地味な壁の花』と小馬鹿にされているのだが、そんな嘲笑をものととせず彼女が壁の花に甘んじているのには理由があった。
「商売において重要なのは『信頼』と『情報』ですから」
※設定はゆるめ。そこまで腹立たしいキャラも出てきませんのでお気軽にお楽しみください。2万字程の作品です。
※カクヨム様、なろう様でも公開しています。
文字数 20,064
最終更新日 2022.10.16
登録日 2022.10.15
3
「遺言書を読み上げます」
宰相リチャードがラファエル王の遺言書を手に持つと、12人の兄姉がピリついた。
遺言書の内容を聞くと、
ある兄姉は周りに優越を見せつけるように大声で喜んだり、鼻で笑ったり・・・
ある兄姉ははしたなく爪を噛んだり、ハンカチを噛んだり・・・・・・
―――でも、みなさん・・・・・・いいじゃないですか。お父様から贈り物があって。
私には何もありませんよ?
文字数 24,055
最終更新日 2022.09.27
登録日 2022.08.04
3
件