「世間」の検索結果

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北条氏康の次女夏は、世間知らずの我儘な姫だった。家のために己を捨てるのが当たり前の戦国時代。その時代の普通が、夏には耐え難かった。 輿入れを命じられたある日の晩、夏は悪心に誘われるまま小田原城から出奔した。 ほんの少し、自由を堪能したら帰城する心づもりではあった。 だが、父氏康が護衛を命じた風魔、室生花月に淡い恋心を抱くようになりーー 身分を越えた二人の恋物語。
大賞ポイント 597pt
文字数 17,333 最終更新日 2024.06.07 登録日 2024.05.28
 晴らせぬ恨みを晴らし、許せぬ人でなしを消す。仕掛けて仕損じなし、口外法度の始末屋稼業。昼行灯の同心・中村左内を中心とする始末屋のメンバーたちの生き様を描いた作品です。差別用語が数多く登場します。  また江戸時代が舞台ですが、史実とは異なる部分があります。歴史が好きすぎて、テレビの時代劇にもいちいち重箱の隅をつつくような突っ込みを入れる意識高い系の人は読まない方がいいです。  さらに昨今のスペシャルドラマの必殺シリーズとは根本的に違い、暗く不快で残酷な話が多くなります。苦手な方は注意してください。 【始末屋】 ◎隼人  訳あって、沙羅と共に江戸に逃げて来た若者。小柄だが、鎖鎌と手裏剣を使いこなす凄腕の殺し屋。ただし世間知らず。普段は顔を白く塗り、大道芸人をしている。 ◎沙羅  隼人と共に、江戸に逃げて来た南蛮人の女。実は、隠れ切支丹である。 ◎鉄  現物の鉄の二つ名を持つ、大男の骨接ぎ屋。始末屋の一員ではあるが、同時に龍牙会の客分格でもある。殺しに快感を覚える、危険な一面を持っている。 ◎市  普段は竹細工師をしている若者。二枚目役者のような整った顔立ちをしているが、その内面は冷酷そのもので、安い仕事は引き受けない。始末屋に対する仲間意識も薄く、他の者たちには何ら特別な感情を抱いていない。 ◎小吉  仕掛屋の一員の若者。もっとも、偵察や情報収集などの補助的な役割しか出来ない。 ◎源四郎  左内の下で動く目明かしであると同時に、始末屋の一員でもある。ただし、彼が始末屋であることは、他の面子は誰も知らない。 ◎中村左内  南町の昼行灯との異名を持つ同心。普段は小悪党の上前を掠め取り、大悪党には見てみぬふり……しかし、その実態は始末屋の元締であり剣の達人でもある。仕掛屋の仲間からは「八丁堀」と呼ばれている。 【龍牙会】 ◎お勢  江戸の裏社会で、もっとも力を持つ組織「龍牙会」の元締。四十代の女性だが、裏の世界では彼女に逆らえる者など、ほとんどいない。 ◎死門  お勢の用心棒。凄腕の殺し屋でもあり、裏の世界では恐れられている。奇妙な剣術を使う南蛮人。 ◎呪道  拝み屋の呪道の二つ名を持つ軽薄な祈祷師。だが、その実態は龍牙会の幹部であり、元締お勢の片腕でもある。始末の鉄とは仲がいい。まだ二十代半ばの若者だが、なぜかお勢に惚れている。 【その他】 ◎秀次  市の叔父であり、育ての親でもある。裏社会の大物だが、不気味な性癖の持ち主。 ◎渡辺正太郎  若き同心。左内の同僚であり、いつも愚痴をこぼしている。
大賞ポイント 574pt
文字数 71,046 最終更新日 2024.06.08 登録日 2024.05.31
 南町奉行池田播磨守頼方(いけだはりまのかみよりまさ)が下す裁断についての、江戸市民たちの評判がすこぶる良い。大見得を切って正義を振りかざすような派手さは無いのだが、胸にジンと染みる温情をサラリと加える加減が玄人好みなのだと、うるさ型の江戸っ子たちはいう。  池田播磨守頼方は、遠山の金さんこと遠山景元の後任の町奉行だ。あの、国定忠治に死罪を申し渡した鬼の奉行として恐れられていた。しかし、池田が下す裁断は、人情味に溢れる名裁断として江戸市民たちの評判を呼んでいく。  取り立て屋の市蔵が死体で発見される。  調べが進むと、小間物屋「奄美屋」の番頭清二が、借金の取りたでで市蔵に脅され理不尽な要求をされ、止むに止まれず殺したことがわかった。  世間は奄美屋に同情する。    果たして、播磨守の裁断やいかに。
大賞ポイント 14pt
文字数 28,592 最終更新日 2024.06.01 登録日 2024.05.22
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