「見物客」の検索結果
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聖歴1878年、メイズラント王国。産業革命と領土の拡大に伴って、この国は目覚ましい発展を遂げていた。街にはガス燈が立ち並び、電話線が張り巡らされ、自動車と呼ばれる乗り物さえ走り始めた。
しかしその発展の陰で、科学では説明不可能な、不気味な事件が報告されるようになっていた。
真夏の路上で凍死している女性。空から落ちてきて、教会の避雷針に胸を貫かれて死んだ男。誰も開けていない金庫から消えた金塊。突如動き出して見物客を槍で刺し殺した、博物館の甲冑。
かつて魔法が実在したという伝説が残る国で、科学の発展の背後で不気味に起きる犯罪を、いつしか誰かがこう呼び始めた。
「魔法犯罪」と。
メイズラント警視庁は魔法犯罪に対応するため、専門知識を持つ捜査員を配置した部署を新設するに至る。それが「魔法犯罪特別捜査課」であった。
◆元は2008年頃に漫画のコンテを切って没にした作品です。内容的に文章でも行けると考え、人生初の小説にチャレンジしました。
文字数 705,008
最終更新日 2024.06.02
登録日 2022.02.14
御行相馬(ごぎょうそうま)は不思議な力を持っていた。
それは超能力と言われており、時にはただのトリックだと揶揄される不思議な力であった。
ただし、皆が想像するような力の全てが使えるわけではない。
ほんの小さな物体を動かすことのできる力『サイコキネシス』が、彼の超能力だった。
テレビにも登場し、SNSでは彼のトリックを見破ろうと大いに話題に。
もちろんタネなど無いのだから見破れるわけがない。
「今日は超能力者ソーマ氏に、生中継で能力を見せてもらいましょう!!」
しかし、それが大きな間違いであった。
彼は本物の超能力者だったのだ。
そこにトリックなど存在しない。
屋上から落ちてくるチューリップの植えた植木鉢を、見事破らずに地上に下ろしましょう。
そして本番……
宙空に留まるはずの植木鉢を、カメラに収めることはできなかったのだ。
落下中に起きた悲劇。
それは、ただただ臨場感を出すためだけの見物客の悲鳴だったのだ。
相馬はただただ驚き、集中が切れてしまった。
テレビにはギリギリ映りはしなかったが、それ以降、生中継の相馬の姿を見ることは無かったのだった。
文字数 71,122
最終更新日 2022.06.18
登録日 2022.05.13
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