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生まれ持った「スキル」が人間の価値を決定づける世界。
15歳の鑑定儀式で『無能』の烙印を押された少年アベルは、村人や幼馴染たちからゴミのように虐げられる日々を送っていた。
同い年の幼馴染カインが強力なスキルを開花させ「勇者候補」として持て囃される中、アベルの唯一の心の支えは、不器用に木刀を振り続ける彼にただ一人微笑みかけてくれる、美しく優しい少女・エバの存在だけだった。
しかし18歳の時、狂暴な魔物の群れが村を襲撃する。
未来の英雄と期待されていたカインが恐怖のあまり逃げ出す中、アベルは長年鍛え抜いた木刀一つで魔物の前に立ち塞がる。だが無情にも、彼を庇ったエバが命を落としてしまう。
「強く生きて。だめよ……彼らを、憎んじゃ」
最愛の少女を失った絶望の中、村人たちは保身のためにアベルへ理不尽な怒声を浴びせる。「お前がいるから魔物が来たんだ」「お前のせいで彼女は死んだんだ」と。
世界からただ一つの「好意」が消え去り、「憎悪(ヘイト)」が彼に集中したその瞬間――アベルの中に眠っていた異端の能力【憎悪反転】が産声を上げる。
それは、他者から向けられる敵意や憎悪を喰らい、己の絶大な力(オーラ)へと反転させる呪われた力だった。
悲劇の元凶である魔物と魔人を討ち滅ぼすため、アベルはエバの遺した『純白の剣』を握りしめ、故郷を後にする。
「憎まないで」という彼女の最期の願いを胸に抱きながら、皮肉にも彼は力を得るためにあえて泥を被り、人々から忌み嫌われる「偽悪者」として振る舞う修羅の道を選んでいく。
漆黒の憎悪を纏い、純白の剣を振るう。
これは、誰よりも優しい無能の少年が、あえて「世界の敵」となり絶望を斬り裂く、残酷で哀しいダークヒーローの物語。
文字数 25,262
最終更新日 2026.08.01
登録日 2026.08.01
【あらすじ】
ある朝、世界は突如として現れた魔物によって崩壊した。
空を覆うドラゴン、街を破壊する巨大獣、逃げ惑う人々。
誰もが絶望し、世界の終わりを覚悟したその日――黒木鉄平(34歳・彼女なし・貯金なし)は、いつも通り会社のハイエースに乗って現場へと向かっていた。
「チッ……魔物のせいで道が塞がってんじゃねえか。渋滞で遅刻したらどう落とし前つけんだ」
鉄平の職業は、重機を操る土建屋。
彼にとって「世界の滅亡」など「天候不良」程度のイレギュラーであり、絶対に守るべきは人類の未来ではなく『工期(納期)』だった。
日課である『KY(危険予知)活動』を行った結果、なぜかシステムによって【対象の全攻撃を100%事前回避する最強チートスキル】を獲得。
さらに、邪魔をしてきたSランク魔物を愛機の油圧ショベルでミンチにしたことで、レベルは一気にカンストし、重機は【神話級】へと進化してしまう。
しかし、鉄平は無自覚だった。
脳内に響くシステム音は「重機の警告音」、目の前に浮かぶステータス画面は「最新のAR機能」だと勘違いし、ドロップした超レアな宝箱は「不法投棄された粗大ゴミ」としてスクラップの山へ放り投げていく。
「おいそこの勇者、アームの旋回範囲内に立ち入るな。安全看板が見えねえのか」
世界を救おうと奮闘する勇者パーティーや、人類を滅ぼそうとする魔王軍幹部が次々と現場に迷い込むが、鉄平の関心は「今日も安全第一で定時に帰る」ことのみ。
これは、無口な職人が、一切の自覚を持たないまま、重機ひとつでファンタジー世界を(物理的に)整地していく!
★ 「『異世界転移』×『ガチの建設業・安全衛生法』という全く新しい切り口。魔法やチートスキルに頼らず、日本の重機(油圧)と職人のコンプライアンス精神でファンタジーの理不尽をねじ伏せる、痛快お仕事コメディです
文字数 24,178
最終更新日 2026.08.01
登録日 2026.08.01
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