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「誰も読めない異国の文字が、俺には商売の種に見える」
勇者召喚に巻き込まれた三十八歳の商社マン・佐伯浩司。
若者たちが《聖剣術》や《炎神魔法》を授かる中、彼に与えられたのは《言語理解》だけだった。
「召喚の会話補助と変わらない外れスキル」
そう判断された浩司は王都を追われ、国境町ラグナへ送られる。
だが、この異世界には共通語がない。
国が違えば、挨拶や数字は使えても、荷札、契約書に書かれた細かな条件までは理解できない。
三日以内に雇い主を見つけなければ町を追い出される浩司――コウは、潰れかけのカルヴァン商会で、誰にも読めなかった異国の荷札を読み解く。
危険な種麦の保管条件を見抜き、押しつけられた粗塩に希少な白晶塩が含まれていることを突き止め、相手が用意した契約書で商会の権利を守る。
剣も魔法も使えない。戦えば弱い。
それでも、元専門商社の海外営業として培った契約、物流、価格交渉、信用をつなぐ力ならある。
若き商会主エレナ、獣人の護衛シア、御者のマルクと共に、止められた荷車を国境の外へ向け、共通語のない国々を結ぶ交易商会を築いていく。
これは、外れ扱いされたおっさんが、言葉と商売で国境を越え、どの国にも属さず、どの国にも必要とされる交易商人へ成り上がる物語。
文字数 104,150
最終更新日 2026.08.22
登録日 2026.07.24
白い紋章を持つ少年レインは、勇者として王都へ向かうことになる。
彼には、どうしても見捨てられないものがあった。
傷ついた人。
倒れた仲間。
助けを求める声。
レインが白い光を使うたび、誰かは救われる。
ただし、その救いには代償がある。
レインに救われた者は、彼のことを忘れてしまう。
命は残る。
傷は癒える。
けれど、助けてくれた少年の名前だけが消えていく。
それでもレインは、目の前で誰かが死にそうなら手を伸ばしてしまう。
人間だから救うのではない。
味方だから救うのでもない。
死んでほしくないから、救う。
これは、世界を救うたびに世界から忘れられていく勇者の物語。
文字数 316,337
最終更新日 2026.07.18
登録日 2026.06.12
能力値は、筋力F、耐久F、敏捷F、魔力F。
スキルは【生活魔法】と、かすかな違和感を拾うだけの【危機感知・微】。
村を出て交易都市アウローラへやって来た少年アルトは、冒険者登録の水晶で、自分が見事なまでに“全部F”だと知る。
頼れるのは、父のお古の鈍い短剣と、少しの所持金だけ。
まともな防具もなく、戦う力もない。
そんなアルトが選んだのは、無理に強敵へ挑む道ではなく、街中の雑用依頼をこなし、薬草を採り、スライムの核を拾い、毎日きちんと生きて帰ることだった。
やがてアルトは、赤髪の少女リーズと行動を共にするようになる。
前に出るリーズと、慎重に周囲を見るアルト。
最初は噛み合わなかった二人も、小さな失敗と報告を重ねながら、少しずつ冒険者としての歩き方を覚えていく。
これは、最弱の新人が急に無双する物語ではない。
怖さを知り、足元を見て、できることを一つずつ増やしていく物語。
能力値オールFだけど、なんとか生きています。
今日も無事に帰るため、アルトは小盾を構えて森へ向かう。
文字数 350,362
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.05.25
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