「会社に、辞めるって電話してほしいんです」
退職代行。
今どき、珍しくもない依頼だ。
代わりに電話することはできる。
形式上は、それで終わる。
だが、辞めるのは会社だけじゃない。
逃げたいものと、向き合いたくないものが残る。
正論も、説教も使わない。
背中も押さない。
確認するのは一つだけだ。
――それでも、辞めたいか。
これは退職の話じゃない。
自分の人生を、誰に任せるかの話だ。
文字数 771
最終更新日 2026.01.20
登録日 2026.01.20
結婚か、推し活か。
三十代に入り、選択を迫られている気がしている女性が相談に来た。
推しは、彼女を救ってきた存在。
けれど同時に、現実から目を逸らす場所にもなっていた。
探偵は、やめろとも続けろとも言わない。
ただ問いを一つ投げる。
――それは、逃げ場所か。それとも、選んだ生き方か。
答えを決めるのは本人だけ。
証拠も正解も用意しない、一話完結ヒューマンドラマ。
文字数 1,356
最終更新日 2026.01.20
登録日 2026.01.20
「彼氏のふりをしてほしいんです」
相談に来たのは、
本当は別れたくないのに
「自分は釣り合わない」と身を引こうとする女だった。
探偵は、勝ちもしない。
証拠もいらない。
ただ、彼女を雑に扱わない男として隣に立つ。
その短い時間の中で、
彼女は気づく。
欲しかったのは、選ばれる証明じゃない。
自分を安売りしない覚悟だったと。
恋に正解はない。
だが、自分を負けにしない選択はある。
静かに終わる、一話完結ヒューマンドラマ。
文字数 746
最終更新日 2026.01.19
登録日 2026.01.19
浮気調査を依頼してきた女性は、確かな証拠を求めていた。
決まった曜日、決まった相手、決まった場所――調査はすぐに終わる。
だが、証拠を差し出そうとした瞬間、彼女は静かに言った。
「もう、いらないです」
彼女が本当に欲しかったのは真実ではなく、決断を先送りにできる時間だった。
証拠よりも大切なものを、彼女が自分で選び取るまでを描く、大人の短編。
文字数 897
最終更新日 2026.01.18
登録日 2026.01.18
通り魔が出たから、女性は男性と一緒に帰るように――
そう言われた夜、彼女は「一人で帰ります」と答えた。
守られることでも、強さを誇ることでもない。
自分で選ぶという、ただそれだけの話。
文字数 875
最終更新日 2026.01.17
登録日 2026.01.17
毎朝同じ電車で、
私は同じ恐怖をやり過ごしていた。
何も言わず、隣の車両へ案内してきた車掌。
それ以来、被害はぴたりと止まった。
偶然だと思っていた。
――彼が、いなくなるまでは。
気づかないところで守られていた、
短い朝の記憶。
文字数 672
最終更新日 2026.01.16
登録日 2026.01.16
護衛は、感情を見せない。
姫は、それを理解した上で言葉を選ぶ。
踏み込まないことを選び続けた二人の、
変わらない距離と、変わらない夜。
文字数 772
最終更新日 2026.01.15
登録日 2026.01.15
亡くなった恋人として、
彼の新しい一歩を見送る一日。
ゴミ袋をひとつ捨てるだけの、
静かな別れを描く短編。
文字数 1,548
最終更新日 2026.01.14
登録日 2026.01.14
母子家庭で育った主人公は、普通の家庭に強く憧れていた。普通に異性と付き合って、結婚して、子供が生まれて、家庭を築くのが夢だった。
しかし、初恋の相手は同性で、普通とは違った。普通になろうとすればするほど、普通から遠ざかっていく…
果たして主人公は幸せになれるのか?
文字数 1,163
最終更新日 2025.11.16
登録日 2025.11.16