世の中には、2つのタイプの人がいます。
1つは、お金が自然に貯まるタイプです。こういう人はなんとなく支出の管理ができ、収入に見合った暮らしができ、貯蓄もちゃんとでき、投資なんかにもチャレンジしたりして、普通に暮らしているだけでお金が貯まっていきます。
もう1つは、なぜかお金が貯まらないタイプです。贅沢をしているわけじゃないのに貯蓄は増えず、たまに支出が収入を超えてしまう月があったり。使っていないサブスクを解約するのが面倒で、放置していたり……。良く言えば「おおらか」、ちょっと悪く言うと「ズボラ」と言われてしまうような人です。
この連載では、こうしたタイプの違いを「変えられない性質によるもの」として割り切り、ズボラな人でも、無理せず、ラクに、ズボラなままで、お金が貯まっていく・増えていく方法を、ファイナンシャルプランナーの岩切健一郎さんに解説していただきます。
お金のプロでありつつ、自身がADHDの特性を持ち、お金のトラブルに見舞われた経験が豊富な岩切さんだからこそ知っている、ズボラな人でも今日からお金が貯まりだすノウハウが満載です。
「今月こそ貯金しよう」と思っているのに、なぜか毎月お金が残らない。
節約しようと思っていたのに、気づけば給料日までカツカツ。
ボーナスで貯めようと切り替えても、それも大きな出費があって結局使い切ってしまう。
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
実は貯金ができるかどうかは、細かい節約術をどれだけ知っているかよりも、お金の流れをどう作っているかでかなり変わります。
私はお金の相談を受ける中で、家計簿が続かない方、節約が苦手な方、お金の様々なことが苦手な方を見てきました。
しかし、お金の管理が苦手という自覚がある人の中にも、お金が貯まっている人と、そうでない人がいるのです。
その違いは何か。
お金の置き場所とタイミングがカギでした。
お金を貯められている人の多くは、
具体的には、生活費用の口座と貯蓄用の口座です。
また、お金を分けるタイミングも特徴があります。
お金を貯められている人は、給料が入ったタイミングで、
反対に、貯まりにくい人は、給料が入る口座も、生活費に使う口座も、貯金する口座も、全部が一緒になっていることが多いです。
生活費を使って余ったら貯めようとしているので、ほとんど生活費で使ってしまう傾向があります。
「今月使っていいお金」と「本当は残しておきたいお金」の境目が曖昧になっています。
だからまずやってほしいのが、口座を最低2つに分けることです。
1つは「使う用」。
もう1つは「貯める用」。
欲を言えば証券口座だったり、中期用の貯蓄口座だったりでもあればベストですが、まずは2つに分けるだけでもOKです。
使う用と貯める用に口座を分けましょう。
お金が貯まらないとき、多くの人は「もっと節約しなきゃ」「もっと稼がなきゃ」と考えます。
もちろん節約や稼ぐことも大事なのですが、その前に見直してほしいのが、お金の流れそのものです。
たとえば、給料が25万円入る口座があるとします。
その口座から家賃が落ちて、水道光熱費が落ちて、クレジットカードの引き落としがあって、食費や日用品にも使う。そして余ったら貯金、という形にする。
このやり方ではお金はかなり貯まりにくいです。
なぜなら、「余ったら貯金しよう」という考えでは、はじめからお金が残っていたら、という前提つきだからです。
現実には、生活していると予定外の出費もありますし、「今月はこれくらいいいか」が何回か重なると、月末にお金は余りません。
人は見えているお金を使いやすいものです。
口座に25万円入っていれば、「25万円ある」という感覚でお金を使っていきます。
パーキンソンの法則というものがあります。
もともとは「仕事は与えられた時間いっぱいまで膨らむ」という考え方ですが、お金もかなり似ていると考えています。
「お金は使える範囲いっぱいまで膨らむ」のです。
以前と比べて収入が上がっているのに、貯金が増えていかない人は、まさにこの状態です。
実際に、年収は高いのに生活レベルも上がってしまって貯金出来ていない人はたくさんいます。
稼げば必ず貯金できるという訳ではないのです。
使った「後に」残すのではなく、収入が入ってきたら「先に」分けておくという考え方が重要です。
これは「先取り貯金」と呼ばれる方法です。
最初から貯金分を別の口座に移して、残ったお金で生活するように、お金の流れを作ります。
さて、先取り貯金を実行するためには、口座が2つ必要です。
口座の選び方は後述します。
お金の相談を受ける中で、口座を分けただけで急に残るようになったケースを何度も見てきました。ものすごく生活を切り詰めたわけでもありません。ただ、先に分けただけです。
それだけでも、お金の残り方はかなり変わるのです。