リーグ2制覇達成から、2年連続5位に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。怪我人は絶えず、投打ともに大不調にあえぎ、指揮官髙津監督も大いに苦しむこととなった。
今シーズン「捲土重来」というスローガンを掲げた髙津監督は、どんなビジョンでチーム再建を図るのか。本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、復活にかける髙津監督のマネジメント術をお届けしていく。
(インタビュアー:長谷川晶一)
――開幕から1カ月が経過しました。ここまでの戦いを振り返ってください。
髙津 「毎日難しい戦いが続いているな」というのが実感です。開幕3連敗から始まって、5連敗もあり、なかなか事態が好転しない……。そんな思いですね。

――開幕時点ですでに主力級の故障者が続出しました。それでも、一つの目安として「四番の村上宗隆が戻ってくれば……」という思いもあったと思います。しかし、4月17日の阪神タイガース戦での復帰後すぐに、負傷箇所の再発で登録抹消となりました。監督にとって、さらにプランニングの軌道修正を余儀なくされる事態となっているのではないですか?
髙津 どの選手が欠けてももちろん戦力ダウンとなって痛いです。負傷者の回復状況を見ながら、「今度、この選手が復帰したらこうしたい」とか、「欠けていたこのポイントがプラスになっていくんじゃないか」という青写真を描いています。当然、村上に関してもそうだったけど、これは非常に厳しい状況です。いや、「厳しい、しんどい」って言ってもしょうがないんだけども、現実は嘘をつかないので、厳しいのは確かです。どう考えても、彼の代わりはいないですよね。村上ほどの大きな穴を埋めるのは非常に難しいと思っています。
――そうした非常に難しい状況に立たされている中で、それでも今日も明日も試合がある。こんな状況下では、どういう心持ちでチームマネジメントされているんですか。
髙津 うーん、どんなときもそうだけど、常に「何かいい方法はないか?」と思っていろいろ考えますよ。それは作戦にしても、編成にしても、起用法にしてもそうです。「これが正解か、いやこっちの方がいいんじゃないか」というのは朝起きたときから寝るまで、もちろん試合中もずっとそんなことばかりを考えていますね。試合が終わっても、寝る直前まで、いや、夜中に目が覚めてもそんな感じのことばっかり考えていますね。
――それは、チーム自体がなかなか波に乗り切れていないからですか? チーム状況がいいときは安眠できるものなのですか?
髙津 チーム状況に関係なく、監督というものは普段からいろいろ考えてあまり寝られないものだと思いますよ。ただ、もちろん調子がいいときは、少々寝られなくても元気だし、「少しぐらい寝なくてもいいかな」と思うときもあります。ただ、やっぱり調子が悪いときはなかなか寝付けないし、「寝てる時間があったら何かやらなきゃいけないんじゃないかな」って思うことも多いですね。例えば睡眠時間が5~6時間あったとしても、その内容は全然違うのかなって気がします。睡眠の話でいいですか(笑)。